学資保険を22歳満期にするのはなぜ?18歳満期との違いやいつまで保険料を払うのかも解説

大学費用を目的とした学資保険には、大きく分けて18歳満期と22歳満期のプランがあります。
しかし、学資保険が22歳満期の場合「いつまで保険料を支払うのか、満期日はいつなのか」と、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、学資保険を22歳満期にするのはなぜなのか、18歳満期との違いや
保険料の支払い期間について具体的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


学資保険を22歳満期にするのはなぜ?
「学資保険を22歳満期にするのはなぜなのか?」と疑問に感じる方も多いですが、結論から言いますと、子どもの大学進学後の費用に備えるためです。
22歳満期の学資保険では、18歳から22歳までの5年間で「祝い金+満期保険金」を一定額ずつ受け取ることができます。
毎年一定額ずつ受け取ることで、大学在学中に納付する授業料などに充てることが可能です。
学資保険を22歳満期にするか検討する際は、以下の内容が役立ちます。
- 22歳満期の特徴
- 22歳満期のメリット・デメリット
それぞれ詳しく解説していきます。
22歳満期の特徴
22歳満期の特徴は、以下のとおりです。
- 満期金だけでなく祝い金も受け取れる
- 大学進学後の費用に備えられる
- 返戻率が高い
22歳満期の大きな特徴は、満期で受け取る「満期金」とは別に、毎年「祝い金」を受け取れることです。
18歳から21歳までの4年間は、毎年決まったタイミングで「祝い金」を受け取れるため、大学の入学金や授業料などに備えられます。
また、18歳満期と比べて22歳満期は「返戻率」が高いことでも知られ、「効率的に教育資金を準備したい」という方に選ばれています。
なお、学資保険を分割で受け取る際は、18歳で受け取る祝い金だけでは大学入学時にかかる費用が不足する可能性が高いため注意が必要です。
22歳満期のメリット・デメリット
22歳満期の学資保険にはメリット・デメリットがあります。
22歳満期のメリットは、返戻率が高い点です。
学資保険は、保険会社の運用期間が長くなればなるほど、運用益が反映されて返戻率が高くなる仕組みです。
18歳満期と比較すると、22歳満期は保険会社の運用期間が4年も長くなり、この差が返戻率に大きく影響します。
返戻率が高い商品を選ぶことで、支払った保険料総額よりも多くの満期金を受け取ることができ、効率的に大学費用を準備できます。
一方で、22歳満期のデメリットは税金がかかりやすい点です。
18歳満期の学資保険は「一括受取」のため、受け取った満期金に対して特別控除が適用されます。
しかし、22歳満期のように毎年一定額ずつ受け取る「年金形式」の場合は、会社員などの給与所得者を除いては「非課税枠」が設けられておらず、税金がかかりやすい点がデメリットです。
参考記事:雑所得|国税庁
参考記事:確定申告が必要な方|国税庁
学資保険の18歳満期と22歳満期の違いは?
学資保険の18歳満期と22歳満期の大きな違いは、保険金の受け取り方法です。
18歳満期の学資保険は、教育費の中でも費用負担の大きい「大学入学時の費用」に備える目的で加入する方が多いです。
そのため、入学金や1年目の授業料などが含まれる「初年度納付金」の納付に合わせて、保険金を一括で受け取ります。
一方で、22歳満期の場合は、大学進学後の「在学中の費用」に備えるため、18歳から22歳までの5年間の間に分割して受け取ります。
なお、22歳満期の分割受け取りでは「大学入学時の費用」をカバーできない可能性があるため、学資保険以外の方法で不足分の準備が必要です。
22歳満期の場合はいつまで保険料を払うのか
「22歳満期の場合はいつまで保険料を払うのだろうか」と気になる方もいると思います。
保険料払込期間は保険会社によってさまざまですが、一般的には「10年」「15年」や、子どもの年齢を基準にした「17歳または18歳まで」などから自由に選ぶことができます。
一般的に、保険料払込期間を短くすることで、より多くの満期金の受け取りが可能です。
保険料払込期間を短くするメリットは以下のとおりです。
- 返戻率が高くなる
- 保険料が早く払い終わる
払込期間を短くすることで、保険会社の運用資金が早く積み上がり返戻率が高くなります。
また、教育資金は子どもの成長とともに高額になるため、早い段階で保険料の支払いが終わることは大きなメリットです。
一方で、保険料払込期間を短くするデメリットは、以下のとおりです。
- 毎月の保険料が高くなる
- 保険料払込免除が有効な期間が短くなる
- 生命保険料控除の適用期間が短くなる
保険料を早く払い終えるということは、その分毎月の保険料が高くなるということです。
また、保険料の払込期間が短くなると「保険料払込免除」の有効期間も短くなります。
「保険料払込免除」は、契約者である親などに万が一のことがあった場合に、以降の保険料支払いを免除するものであり、その時点で払込期間が長ければ長いほど効果が大きいです。
なお、保険料を支払った年に適用される「生命保険料控除」も、上記と同様に適用期間が短くなるデメリットがあります。
18歳満期の場合はいつまで保険料を払う?
18歳満期の場合も、22歳満期と同じように「10年」などの期間で選ぶ方法や、満期年齢に設定する方法などから選ぶことができます。
上述のとおり、保険料払込期間によって毎月の保険料が変わるため、家計に無理のない範囲内の保険料額からいつまで保険料を払うのかを設定することがおすすめです。
22歳満期の場合の満期日はいつ?

学資保険の満期日は、被保険者である子どもの満期年齢をもとに決定します。
では、22歳満期の場合の満期日はいつになるのでしょうか。
この場合の満期日は、子どもの満期年齢となる誕生日以降、最初に訪れる「契約応当日」の前日です。
「契約応当日」とは、保険期間中に迎える「保険契約をした日」のことを指します。
例えば、学資保険の契約日が2024年12月1日である場合、「契約応当日」は2024年以降の毎年12月1日です。
では、満期年齢が22歳の学資保険で、子どもの誕生日が2023年10月15日の場合に置き換えてみます。
この場合、22歳以降の最初に訪れる「契約応当日」は2045年の12月1日となり、満期日は前日の2045年11月30日となります。
18歳満期の場合の満期日は?
18歳満期の場合の満期日であっても、満期年齢となる誕生日以降の最初に訪れる「契約応当日」の前日です。
ただし、子どもが早生まれの場合は子どもが18歳を迎えるのを待っていると、「大学入学時の費用」に間に合わない可能性があります。
その場合は、満期年齢を1歳若くすることで、大学入学時の費用に満期金を充てることができます。
18歳満期の学資保険の加入を検討されている方は、下記の記事も参考にしてみてください。
関連記事:学資保険は18歳満期でいくら?平均金額や満期日・設定すべき額も解説
学資保険の満期年齢は17歳や21歳にも設定できる?
学資保険の満期年齢は、17歳や21歳にも設定できます。
上述のとおり、子どもが早生まれの場合は18歳満期を待っていると、大学入学時の納付に
間に合わない可能性があります。
また、17歳満期にしておくことで、満期金を少し早めに受け取って「予備校や受験の費用に充てる」という方法もあります。
22歳満期も同様に、大学4年生に進級した後に満期金の受け取りがある場合は、授業料などの納付期限が過ぎている可能性があるため21歳満期に設定しておくと安心です。
これらのことから、学資保険の祝い金・満期金を適切に受け取るためには、満期年齢の設定が重要だとわかります。
学資保険の満期年齢の決め方
学資保険の満期年齢の決め方に悩んでいる方は、満期年齢ごとの特徴をふまえて、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
満期年齢ごとに、それぞれのプランにおすすめの人を以下の表にまとめました。
満期年齢 | おすすめの人 |
---|---|
17歳 | ・18歳満期では大学の初年度納付までに保険金が受け取れない ・保険金を早めに受け取って受験費用などに充てたい |
18歳 | ・負担の大きい大学入学の費用に備えたい ・保険金の受け取り時の課税を避けたい |
21歳 | ・大学在学中の費用に備えたい ・返戻率を少しでも高くしたい |
22歳 | ・返戻率が最も高いプランを選びたい ・保険金をまとめて受け取ると使い過ぎてしまう |
学資保険の満期年齢の決め方のポイントは以下の3つです。
- 何に使うお金なのか
- どのタイミングで必要になるのか
- 自分や家庭に合ったプランなのか
祝い金や満期金を必要な場面でしっかり活用できるように、上記を参考に検討してみてください。
満期年齢を設定する際の注意点
満期年齢を設定する際の注意点は、学資保険の「契約日」です。
学資保険の契約日は、満期年齢となる誕生日以降、最初に訪れる「契約応当日」の前日を指します。
一般的に大学の授業料の支払い時期は、前期分が4月〜5月頃、後期分は10月〜11月頃が多く、大学によっては、1年分の授業料を前期にまとめて支払う場合もあります。
子どもが現役で大学に進学した場合、22歳を迎えるのは大学4年生です。
大学4年生になってから満期金を受け取ると、授業料の支払い時期に間に合わないケースが出てきます。
具体例として、以下の内容を「22歳満期プラン」と仮定して見ていきましょう。
- 子どもが22歳になる誕生日:2024年4月2日
- 契約応当日:2024年5月31日
- 前期の授業料の支払い期日:2024年5月15日
学資保険の「満期日」は、満期年齢を迎えた直後の「契約応当日の前日」ですので、この場合は「2024年5月30日」です。
上記のタイミングで満期金が支払われるため、前期の授業料の支払い期日である「5月15日」には受け取ることができません。
そのため、今回のケースでは「4月」に保険契約をすることで、授業料の支払い期日に合わせて満期金を受け取ることができます。


学資保険が満期になったらどうなるのか
「学資保険が満期になったらどうなるのだろうか」と疑問に感じる方は多いと思いますが、学資保険が満期を迎えると保険契約が終了します。
また、被保険者である子どもが生存していた場合、保険会社から「満期保険金」を受け取ることができます。
満期を迎えるタイミングは、学資保険に加入した時期や保険料の払込期間によって異なりますが、契約時に設定するのが一般的です。
また、学資保険に付帯した医療保障などの各種保障も、同じタイミングで保障が終了するため注意が必要です。
満期の前に受け取れるお金はある?
22歳満期または21歳満期の学資保険であれば、満期の前に受け取れるお金はあります。
上記のプランであれば、満期の前に「祝い金」を受け取れて、他のプランに比べて高い返戻率が期待できます。
ただし、大学入学時にかかる費用をカバーしきれない場合が多いため、「学資保険以外の貯蓄が十分にある」という家庭におすすめです。
学資保険の満期金の受け取り方法

学資保険の満期金の受け取り方法は、一般的に以下の流れでおこなわれます。
- 満期を迎える前に保険会社から郵送で通知が届く
- 受け取り方法を選ぶ
- 必要書類に保険金の入金先を記入する
- 本人確認書類のコピーと上記を同封して保険会社に返送
- 保険会社で書類のチェックが完了次第、指定口座に振込
なお、満期保険金を受け取ると所得が発生したとみなされ、必要に応じて納税額の申告をしなければいけません。
学資保険の受け取り方や節税方法については、下記の記事をご覧ください。
関連記事:学資保険のおすすめの受け取り方は?節税できる最適な方法も解説
満期金の受け取りには税金がかかる?
学資保険の満期金の受け取りには税金がかかりますが、18歳満期と22歳満期では税金の種類が異なります。
18歳満期で一括受取をした満期金は「一時所得」とみなされ、「50万円の特別控除」の適用後の金額が課税の対象です。
一方で22歳満期の場合、18歳から22歳満期までの間に「祝い金+満期金」を年金形式で受け取るため「雑所得」とみなされます。
雑所得には一時所得のような「特別控除」はありませんが、「20万円の非課税枠」が設けられています。
しかし、非課税枠が該当するのは、会社員や公務員などの「給与所得者」に限定され、自営業者は受け取った保険金そのものが課税の対象です。
このことから、「一括受取」よりも「年金形式」の方が税金がかかりやすいとされています。
参考記事:一時所得|国税庁
参考記事:雑所得|国税庁
参考記事:確定申告が必要な方|国税庁
学資保険の満期の税金や確定申告についての詳しい内容は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:学資保険の満期で税金の確定申告が必要になる?具体例や申告不要の場合も解説
学資保険の満期金は据え置きできる?
「教育資金に少し余裕ができたから、満期を延長させたい」という場合、学資保険の満期金は据え置きができます。
満期で保険金を受け取らずに据え置くことは、保険会社での運用が延長されるということです。
そのため、満期金の据え置きには以下のようなメリットがあります。
- 保険会社の運用利息が付く
- お金を引き出すタイミングは自由に決められる
- 基本的にはどこの保険会社も実施している
保険会社での運用期間が延長されるため、運用利益が上乗せされて、予定していた満期金よりも多い金額を受け取ることができます。
契約プランにもよりますが、基本的に国内の保険会社であれば、上記のような「据え置き制度」の利用が可能です。
満期金は前倒しもできる?
「据え置きができるのなら、満期金は前倒しもできるの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
保険会社の承諾があれば満期金の前倒しもできるため、万が一「授業料の支払い期日に祝い金が受け取れない」といった不測の事態にも備えられます。
ただし、満期を前倒しした分、保険会社の運用期間が短くなり予定していた満期金額よりも少なくなる可能性があるため注意が必要です。
とはいえ、据え置きや前倒しといった方法で、満期金の受け取りを柔軟に調整できることは22歳満期の大きなメリットです。
学資保険の満期金額の平均はいくら?
学資保険の満期金額の平均は、おおよそ200万円前後とされています。
この金額は、大学入学時にかかる「初年度納付金」の金額を目安にしたものです。
さらに、子どもの進学に柔軟に対応できるように、最も学費の高い私立大学に基準を合わせています。
【初年度納付金(授業料・入学料・施設設備費)】
区分 | 初年度納付金 |
---|---|
国立大学 | 81万7800円 |
私立大学(文科系学部) | 118万8991円 |
私立大学(理科系学部) | 156万6262円 |
参考記事:令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額
また、分割で受け取る場合も、2年目以降の授業料などの金額を参考にすることで、受け取る金額のイメージができると思います。
【2年目以降の授業料および施設設備】
区分 | 授業料 | 施設設備費 |
---|---|---|
私立大学(理科系学部) | 113万6074円 | 17万9159円 |
学資保険金額の平均について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:学資保険金額の平均は?満期や月々の保険料はいくらが良いのか決め方もまとめて紹介
学資保険の満期金は200万円で足りるのか
「学資保険の満期金は200万円で足りるのだろうか」と不安になる方も多いと思いますが、学資保険の満期金は200万円で足りるといえます。
学資保険は、教育資金をすべてカバーするための手段ではないからです。
「初年度納付金」や「大学在学中の授業料」のように、大学進学時に必ず必要になるお金に備えるものであり、「保険金を何に使うのか」「いつ受け取るのか」などはそれぞれの家庭で異なります。
ソニー生命が実施した「子どもの教育資金に関する調査2024」によれば、教育費を目的とした子ども貯金は「月々平均1万6942円」という結果でした。
参考記事:子どもの教育資金に関する調査2024 | ソニー生命保険
この結果から、子どもが生まれてから月々1万円〜1万5000円を貯蓄すると、200万円〜320万円程度の貯蓄ができることがわかります。
学資保険の金額設定や200万円では足りないとされる理由については、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:学資保険200万円では足りない?いくらあればベストなのか最適な金額を徹底解説!
将来必ず必要になるお金を確実に確保するためにも、家計に無理のない範囲内で保険料や満期金を設定することが大切です。


まとめ
22歳満期と18歳満期は、保険金の受け取り方法に大きな違いがあります。
18歳満期は、満期で一括受取をすることで大学の「初年度納付金」に対応できるのに対して、22歳満期の場合は「祝い金+満期保険金」を年金形式で受け取り、在学中の費用に備えることができます。
また、満期年齢を17歳または21歳に設定しておくことで、必要なタイミングを逃すことなく満期金の受け取りが可能です。
満期年齢の決め方がわからないという方は、年齢ごとの特徴を把握したうえで自分に合ったプランを選びましょう。