学資保険は18歳満期でいくら?平均金額や満期日・設定すべき額も解説

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学資保険で大学進学時の費用を準備する場合、一般的には子どもが18歳になる年に満期を設定します。

しかし、学資保険を18歳満期にした場合「満期金はいくらに設定するべきなのか」と、悩む方も多いかもしれません。

そこで本記事では、学資保険は18歳満期でいくら受け取れるのか、満期金額の平均や設定する際の注意点について具体的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

都内某企業の人事部で給与・社会保険関係・採用・教育などの業務に携わる中で、税や社会保障など、広い範囲でマネーの知識は不可欠だと感じ、2010年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。
国内生命保険会社での保険営業を経て、独立系FPとして、子供の金銭教育普及活動やファミリー層中心のライフプランセミナーなどで講師を務める2児の母。同じ子育て世代の方が気軽に相談できるFPをモットーに活動中。

目次

学資保険が満期になったらどうなる?

「学資保険が満期になったらどうなるのだろうか」と疑問に思う方もいるかもしれません。

学資保険が満期を迎えると保険契約が終了し、保険会社から「満期保険金」を受け取ることができます。

満期を迎えるタイミングは、学資保険に加入した時期や保険料の払込期間によって異なりますが、契約時に設定するのが一般的です。

また、学資保険に付帯した各種保障も同じタイミングで終了するため、注意が必要です。

学資保険の満期保険金とは

学資保険の満期保険金額とは、保険期間が契約満了を迎えたときに保険会社から支払われる保険金のことです。

学資保険は「子どもの教育資金の貯蓄」を目的とした生命保険で、一般的に契約者は親や祖父母、被保険者を子どもに設定して毎月保険料を積み立てます。

保険契約時に定めた満期を迎えると、保険会社から約束された保険金を受け取ることができる仕組みです。

学資保険は18歳満期でいくらになる?

学資保険は、18歳満期でいくら貯められるのかは保険料の払込保険料総額に返戻率を乗じた金額で決まります。

返戻率は保険料の払込保険料総額を抑えることで上げることができるため、満期保険金の金額も多くなるということです。

保険料の払込保険料総額を抑えるには、以下の方法があります。

  • 保険料払込期間を短くする
  • 保険料の払込方法を年払いなどにする

保険料払込期間は、長いと月々の保険料は安くなりますが払込保険料総額は上がり、期間を短くすると月々の保険料が高くなるものの総額は抑えられるという特徴があります。

また、保険料の払込方法は「一時払い」「年払い」「半年払い」などがあり、月払いと同様に、一度に払い込む保険料が高いほど、払込保険料の総額を抑えることができます。

しかし、満期保険金を貯めるには、保険料払込期間が終わるまで保険料を払い続ける必要があるため、無理なく払い込める保険料に設定することが大切です。

満期年齢が18歳の場合の満期日はいつなのか

学資保険は、被保険者である「子どもの年齢」によって満期日が決まります。

では、満期年齢が18歳の場合の満期日はいつになるのでしょうか。

この場合、子どもが18歳になる誕生日以降、最初に訪れる「契約応当日」の前日が満期日になります。

「契約応当日」とは、保険期間中に迎える「契約日に対応した日」のことを指します。

例えば、学資保険の契約日が2024年11月1日である場合、契約応当日は2024年以降の毎年11月1日です。

満期年齢が18歳、子どもの誕生日が2023年9月15日の場合に置き換えると、18歳以降の最初に訪れる「契約応当日」は2041年の11月1日です。

つまり、満期日は契約応当日の前日の2041年10月31日となります。

学資保険で22歳を満期にするのはなぜ?

学資保険で22歳を満期にする方は一定数います。

しかし、現役で大学に合格した場合、22歳の学生は4年生にあたるため「学資保険で22歳を満期にするのはなぜ?」と疑問に思われる方もいるでしょう。

学資保険で22歳を満期にする目的は「大学在学中の学費」をカバーするためです。

22歳満期に設定した場合は、18歳から22歳までの5年間に毎年40万円ずつ、総額200万円を受け取るというイメージです。

学資保険の満期保険金は200万円で足りる?

学資保険の満期保険金は200万円で足りるのかのイメージ画像

学資保険を18歳満期で受け取る場合、「満期保険金は200万円で足りるのだろうか」と不安になる方もいると思います。

結論からいいますと、学資保険の満期保険金は200万円あればひとまず足りるといえます。

子どもが18歳になるタイミングで200万円を受け取ることができれば、大学進学時にかかる「初年度納付金」を支払うことができるからです。

学資保険は教育資金をすべてカバーするためのものではありません。

「初年度納付金」のように必ず必要になる大きな金額に備え、必要なタイミングで受け取れるように設定することが重要です。

学資保険の最適な金額については、下記の記事が参考になります。

関連記事:学資保険200万円では足りない?いくらあればベストなのか最適な金額を徹底解説!

満期保険金はいくらに設定すべきなのか

「学資保険の満期保険金はいくらに設定すべきなのか」と悩む方は、大学1年目にかかる「初年度納付金」の金額を目安に200万円前後に設定しておくと安心です。

200万円前後に設定することで、子どもの進学時にも慌てず対応できます。

【初年度納付金(授業料・入学料・施設設備費)】

区分初年度納付金
国立大学81万7800円
私立大学(文科系学部)118万8991円
私立大学(理科系学部)156万6262円

「もう少し余裕をもって貯蓄したい」という方は、下記の私立大学(理科系学部)の「授業料」や「施設設備費」の金額をプラスしていくイメージを持つと、金額が定まりやすいです。

【2年目以降の授業料および施設設備】

区分授業料施設設備費
私立大学(理科系学部)113万6074円17万9159円

満期保険金を検討する際は、上記の金額を参考にしてみてください。

参考記事:令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額

教育資金は一人いくらくらい必要?

子どもの教育資金は一人いくらくらい必要なのかというと、幼稚園から大学まで、すべて公立校に通った場合でも1,000万円以上かかります。

途方に暮れるような金額ですが、多くのご家庭は高校までの教育費は月々の生活費からやりくりしています。

しかし、大学進学時にかかる大きな支払いによって家計の収支バランスが崩れてしまうため、予防策として学資保険で計画的な貯蓄をおこなっています。

参考記事:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」

また、内閣府が実施した「児童手当等の使途に関する意識調査」(平成30〜31年)によると、回答者の半数以上が「子どもの将来のための貯蓄・保険料」に児童手当を充てていることがわかりました。

子どもが18歳までに支給される児童手当は、総額230万円程度とされています。

児童手当を家計と切り離して管理することで、大学進学時までに学資保険の満期金の目安となる「200万円」を貯めることが可能になります。

参考記事:児童手当制度のご案内|こども家庭庁 
参考記事:児童手当等の使途に関する意識調査(平成30~31年)

満期保険金を設定するときの注意点

学資保険の満期保険金を200万円前後に設定する方は多いですが、この金額はあくまでも大学進学時の「初年度納付金」などを目安とした金額です。

学資保険は加入時期や払込期間などによって毎月の保険料が変わり、払込期間も長期化しやすいです。

学資保険の満期保険金を設定するときの注意点を以下にまとめました。

  • 受け取り時期にあわせて金額を設定する
  • 満期保険金額と月々の払込額のバランスを取る
  • 途中で解約しないようにする

それぞれ詳しく解説していきます。

受け取り時期にあわせて金額を設定する

学資保険の満期金を決める際は「何に使うお金なのか」「いつまでに準備するのか」を明確にして、受け取り時期にあわせて金額設定することが大切です。

学資保険のゴールを具体的なライフプランから設定することで、必要なタイミングで必要なお金を受け取る準備ができます。

例えば、大学進学時の「初年度納付金」に焦点を合わせるならば、子どもが18歳になる年に満期を設定し、そこから受け取る金額を考えていきましょう。

子どもが早生まれのご家庭や、通常の入試よりも早く実施される推薦入試なども視野に入れる場合は少し早めの17歳満期で受け取ることが確実です。

満期保険金額と月々の払込額のバランスを取る

学資保険を確実に準備するには、満期保険金額と月々の払込額のバランスを取ることが欠かせません。

学資保険の満期保険金は、保険会社に払い込んだ保険料総額に「返戻率」という数字を乗じて決まります。

つまり、満期保険金を高く設定するということは、月々の保険料の払込額も高くなるということです。

学資保険のように10年以上の長期で払い込みが必要な場合、車やマイホームの購入などの学資保険以外の大きな支出にも備える必要があります。

こうしたライフプランの変化にも柔軟に対応できるように、満期保険金と月々の保険金払込額のバランスを取りましょう。

途中で解約しないようにする

学資保険は約束されたお金がほぼ確実に受け取れるため、一度契約したら途中で解約しないようにしましょう。

途中解約をすると「解約返戻金」が受け取れますが、この金額は解約時までに払い込んだ保険料総額を下回るケースが多く、元本割れする可能性が高いです。

上記にもある通り、学資保険では「長期間の保険料の払い込み」を見据えた満期保険金の設定が重要です。

どうしても保険料の支払いが難しい場合は、保険会社から貸し付けを受けられる「契約者貸付制度」や保険料の払い込みを中止する「延長保険」などの利用が可能な商品もあります。

学資保険は「途中解約をしない」ことを前提として、継続できる範囲内で積み立てをおこないましょう。

学資保険月々平均はどのくらいなのか

学資保険の月々平均はどのくらいなのかをイメージした画像

「学資保険の月々平均がどのくらいなのか」がわかる明確なデータはありませんが、高校生以下の子どもをもつ家庭の「教育資金の月々平均」がわかる資料があります。

ソニー生命が実施した「子どもの教育資金に関する調査2024」によれば、教育費を目的とした子ども貯金は「月々平均1万6942円」という結果でした。

参考記事:子どもの教育資金に関する調査2024 | ソニー生命保険

この結果をもとに、18歳満期と仮定して、月々1万円〜1万5000円の保険料を「学資保険に0歳または6歳で加入した場合」の金額をそれぞれ計算してみます。

【子どもが0歳時に加入】1万円×12ヵ月×18年間=216万円

【子どもが6歳時に加入】1万5000円×12ヵ月×12年間=216万円

学資保険の加入年齢がギリギリである6歳に加入した場合でも、上記の「教育資金の月々平均」の金額で、学資保険の満期金額の平均である200万円を貯めることができます。

実際の学資保険では「返戻率100%以上」のものが多いため、貯蓄額は上記の金額よりも少し多いくらいのイメージです。

学資保険の保険料の決め方について、もう少し詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

関連記事:学資保険の月々の平均相場は?金額の決め方や掛け金の安い保険についても解説

学資保険の満期保険金の受け取り方法とは

学資保険の満期保険金の受け取り方法は「一括」と「分割」があります。

例えば、学資保険で大学進学時にかかるまとまった費用をカバーしたい場合は、18歳満期に設定して、満期保険金を一括受け取りすることで対応できます。

一方で、大学在学中の学費に備えたい場合は一括よりも分割で受け取ることがおすすめです。

この場合、22歳満期に設定することで、18歳〜22歳までの5年間に毎年40万円ずつ分割で受け取ることができるため、一度に受け取って使い過ぎる心配もありません。

学資保険のおすすめの受け取り方はある?

学資保険のおすすめの受け取り方は「受取人と契約者を同じ人にして、満期保険金を一括で受け取る」という方法です。

学資保険は「誰がどのように受け取るか」によって税金の課税区分が大きく変わります。

「契約者=受取人」の状態で満期保険金を一括受け取りすると「所得税」の対象になります。

所得税には「特別控除50万円」が適用されるため、一般的な学資保険では税金が発生することは非常に少ないです。

もっと詳しく知りたいという方や節税方法などは、下記の記事を参考にしてみてください。

関連記事:学資保険のおすすめの受け取り方は?節税できる最適な方法も解説

まとめ

学資保険を18歳満期でいくら受け取るか悩んでいる方は、大学進学時の「初年度納付金」の200万円前後を目安に検討してみてください。

18歳の満期のタイミングに一括で受け取ることで、大学1年目の大きな支払いに対応でき、節税対策にもつながります。

また、学資保険の満期保険金を決める際は「何のためのお金をいつまでに準備するのか」を明確にして、具体的なライフプランからゴールを設定します。

学資保険は約束されたお金をほぼ確実に受け取ることができますので、途中で解約しないためにも、家計に無理のない範囲で保険料の設定をおこないましょう。

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