子供の医療保険は通院のみでも支払われる?保障対象や加入するメリットも紹介!

子供が病気やケガで通院治療した際に、公的医療保険が適用されない費用などがかさんだ経験がある方もいるかと思います。
これを機に医療保険に加入することを考えるものの、通院治療で医療保険の保障を受けられるのかがよくわからない方もいるかもしれません。
子供の医療保険で通院時も保障を受けるには、一定の条件を満たす必要があるため、加入前にこの点を知っておくことが大切です。
本記事では、子供の医療保険は通院のみでも支払われるのかを、保障対象や医療保険加入のメリットとともに徹底解説します。



子供の医療保険は通院のみでも支払われる?
子供の医療保険で受け取れる給付金は、通院のみでは受け取れません。
実は医療保険の給付金は、基本的に入院時に支払われるためです。
加えて、「通院給付金」の受け取りは、入院を伴うことが支払いの条件とされています。
このような理由から、通常の医療保険では入院治療込みで通院する方でなければ、給付金を受け取れません。
ただし、保険商品のなかには、入院前の通院治療でも給付金が受け取れるものもあります。
医療保険の保障対象とは
一般的な医療保険の保障対象として、「入院給付金」と「手術給付金」、そして通院給付金があります。

入院給付金は、医療機関に入院した日数分受け取れるのが特徴です。
保険会社が定めた日額を、入院した日数分だけ受け取れます。
なお、1回の入院で受け取れる日数には上限があるのが一般的です。
一方、手術給付金は手術を受けた回数に応じて受け取れる給付金です。
手術給付金は日帰り手術のような、入院しないタイプの手術を受けた場合にも受け取れます。
通院給付金は、入院給付金の対象となる入院をした方が、退院後に通院治療する際に受け取れる給付金です。
通院給付金も入院給付金と同じく日額が保険商品ごとに決まっていて、通院した日数分を受け取れます。
通院のみでも支払われる保険はある?
通院のみでも支払われる保険として、次のものがあります。
- 傷害保険
- がん保険
「傷害保険」は、日常生活での事故などが原因でケガをして、医療機関への入院や通院で治療を受けた際に受け取れる保険です。
傷害保険であれば通院治療のみの場合でも、給付金を受け取れます。
ただし、病気の治療については対象に含まれないため、注意が必要です。
また「がん保険」は、がん治療に特化している保険です。
近年のがん治療は通院治療が主流になってきているため、子供の場合でも小児がんを通院治療する際にがん保険が役に立ちます。
ほかにも、医療保険に通院特約を追加するのもひとつの手です。
なお、医療保険とがん保険の違いがよくわからない方もいるかもしれません。
もし、両者の違いを深く知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
関連記事:子供の医療保険とがん保険の違いは?加入率や何歳から入るべきかも詳しく解説!
子供の医療保険の必要性は?
子供の病気やケガに備える意味で、医療保険を検討している方もいるのではないでしょうか。
ただ、子供であれば医療保険の必要性はあまり高くありません。
子供の場合、公的医療保険で治療にかかった費用の自己負担は、小学校入学前で2割、小学校入学以降は3割で済みます。
加えて、全国のほぼすべての自治体には「子ども医療費助成制度」があり、自己負担分に対して助成を受けられる仕組みです。
その結果、治療費については比較的安い金額や無料で済むケースが多くあります。
ただし、公的医療保険や自治体の助成制度では、差額ベッド代などの適用外の費用には対応できません。
そのため、医療保険に加入していれば、入院給付金などを適用外の費用に充てられます。
子供の医療保険に加入するメリット

子供の病気やケガの治療では公的医療保険などがあるものの、やはり、より備えを厚くする意味で民間の医療保険を検討したい方もいるのではないでしょうか。
実は子供の医療保険に加入するメリットは多いため、加入を考えている方はこれらのメリットもチェックしておくのがおすすめです。
医療保険の主なメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 助成制度でカバーしきれない支出を補える
- 子供の付き添いでの親の収入減に対応できる
- 年齢が低いうちの加入だと保険料が安い
- 終身医療保険なら独立後も保障が続く
- 若くて健康なうちに加入できる
- 生命保険控除が使える
それぞれのメリットについて、ひとつずつ順に解説していきます。
助成制度でカバーしきれない支出を補える
まず、民間の医療保険は、「助成制度でカバーしきれない支出を補える」のが強みです。
公的医療保険や自治体の助成制度は、治療自体にかかった費用を補助する一方、入院・通院や手術での治療すべての費用をカバーするわけではありません。
具体的には、差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療の費用など、カバーされない費用はいろいろとあります。
これらの費用は助成を受けられない分、全額を自己負担しなければなりません。
もし医療保険に加入していれば、入院中の生活や先進医療にかかる費用を給付金で賄えるため、費用負担が少しでも減る点で安心です。
子供の付き添いでの親の収入減に対応できる
「子供の付き添いでの親の収入減に対応できる」点も、民間の医療保険に加入するメリットです。
子供の入院や通院で親が付き添う場合、仕事を休まなければいけないことも多いです。
仕事を休むと、その分給料や報酬にも影響し、通常より収入が減るリスクもあります。
医療保険に入っていれば、減った分の収入を補てんできるため、収入の減少にも備えられます。
年齢が低いうちの加入だと保険料が安い
さらに、「年齢が低いうちの加入だと保険料が安い」こともメリットといえます。
医療保険を含む生命保険は、被保険者の年齢が高くなるほど、月々の保険料が高くなります。
子供であれば大人に比べて保険料が安いため、毎月の負担を減らせる点が強みです。
終身医療保険なら独立後も保障が続く
医療保険のうち、保障期間が一生涯続く「終身医療保険」であれば、子供が独立した後も保障が続きます。
このため、子供が独立した後に何らかの病気やケガで治療が必要になっても、同じ保険で保障を受けられます。
加えて、支払うべき保険料を親が全額払い込んだ後に、子供に契約者を変更すれば、子供の経済的な負担を抑えられるのもポイントです。
若くて健康なうちに加入できる
子供が加入できる医療保険であれば、若くて健康なうちに加入できる点も強みです。
若い方は、年齢が高めの方に比べると健康リスクが低いため、保険を契約する際の審査を通る可能性が十分にあります。
加えて、医療保険は他の生命保険と同じように、若いほど月々の保険料が安くなる仕組みです。
そのため、保険契約を維持するための経済的な負担も軽く済みます。
生命保険料控除を使える
ほかにも、医療保険で毎月支払った保険料は「生命保険料控除」の対象になる点も魅力です。
生命保険料控除とは、前年の1月から12月までの1年間に支払った生命保険料の金額に応じて、税金計算の対象となる所得から一定額を引く方法です。
所得税や住民税は、前年1年間の課税所得額に税率をかけて算出するため、計算に使う所得が減れば税金額も下がります。
2012年1月以降の保険契約に適用される生命保険料控除の金額は、次のとおりです。
| 1年間に支払った保険料額 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 2万円以下 | 支払保険料の全額 | 支払保険料の全額 |
| 2万円超4万円以下 | 支払保険料×1/2+1万円 | 支払保険料×1/2+6,000円 |
| 4万円超8万円以下 | 支払保険料×1/4+2万円 | 支払保険料×1/4+1万4,000円 |
| 8万円超 | 4万円 | 2万8,000円 |
このように、支払った保険料に応じて一定額が控除されるため、節税対策にもおすすめです。
子供の通院や入院のリスク
子供の病気やケガに備えるために医療保険を検討する際に、子供の通院や入院のリスクがどの程度なのかが気になる方もいるかもしれません。
厚生労働省の調査によると、14歳以下の子供が医療機関で治療を受けた割合は、通院(外来)で約1.8%・入院で約6.7%です。
特に入院については、0歳児に比べて1歳から14歳までの子供は比較的人数が少なくなっています。
また、子供の通院や入院のリスクは、15歳以上に比べると低めです。
医療保険に入ってない場合の入院費は?
もし医療保険に入っていない場合、子供の入院費のうち治療費を除く分は、全額自己負担になります。
治療費については、公的医療保険や子ども医療費助成制度を活用すれば、自己負担分は非常に低いです。
ただし、差額ベッド代などの公的医療保険が適用されない費用は、全額をご自身で負担する必要があります。
このため、入院中の生活に必要な費用は医療保険で受け取れる給付金で賄うのがおすすめです。
なお、子供向けの医療保険では、入院時に一時金が支払われます。
入院一時金について気になる方は、以下の記事が参考になります。
関連記事:子供の医療保険も入院一時金はある?保障対象や給付条件・どのくらい支給されるのかも解説!
もし子供向けの医療保険でご家庭に合ったものを探したり、比較検討したりしたい方は、ぜひ「ほけんプラネット」にご相談ください。


子供の医療保険の加入率
子供の医療保険に加入する際は、具体的な加入率も判断材料として活用されるケースも多いです。
生命保険文化センターの調べでは、2024年時点で子供が医療保険に加入している割合は、46.7%です。
つまり、全体の半分、2人に1人程度が加入している計算になります。
公的医療保険などの存在から「医療保険はいらない」と思われがちですが、半分程度が加入していると考えると、検討する価値は十分あるでしょう。
参考:2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター
なお、子供の医療保険の加入率を詳しく知りたい方は、以下の記事も役に立ちます。
関連記事:子供の医療保険に入ってない割合は?入らない理由や未加入の場合にかかる入院費なども解説!
子供の医療保険は貯蓄型がおすすめ?
医療保険のうち、支払った保険料の一部が保険金となる「貯蓄型」は子供におすすめです。
貯蓄型の医療保険の場合、医療保障を受けられるだけでなく、給付金として受け取らなかった分は将来まとめて受け取れます。
このため、親が保険料を全額支払った後で契約者を子供に変更すれば、子供は保険料を負担しないだけでなく、まとめて保険金を受け取ることが可能です。
ただし、貯蓄型の医療保険は「掛け捨て型」に比べて保険料が高いため、家計とのバランスを考えながらの検討が重要です。
子供の医療保険の平均額はいくら?

子供の医療保険を考える際に、保険料の平均額がいくらなのかは、つい気になってしまうのではないでしょうか。
生命保険文化センターの調査では、子供が加入者または被保険者の医療保険の年額は平均で12万4,000円です。
月額で考えると約1万円であるため、この金額を目安に考えるとよいでしょう。
参考:2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター
子供の医療保険は500円でも入れる?
子供の医療保険の保険料負担を極力下げるために、500円程度のものに入れないかもよくある疑問です。
毎月の保険料が500円程度のものも、保険商品によってはあります。
ただし保険料が安い分、保障内容が不十分なケースもあるため、保険料以外にも保障内容などをしっかりチェックすることが大切です。
なお、子供が入れる医療保険の保険料がいくらなのかを詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
関連記事:子供の医療保険はいくら?月額平均や必要な保障金額・通常かかる医療費も徹底解説!
子供の医療保険は何歳から入れる?
子供の医療保険への加入を考えていると、「何歳から入ってOKなのか」という疑問も出てくるかもしれません。
子供の医療保険は、原則として0歳から加入できるところが多いです。
ただし、保険商品によっては出生予定日の140日前(妊娠6ヵ月目)から加入できるケースもあります。
この場合は、「出生日加入特則」の適用を条件に加入できる仕組みです。
医療保険は赤ちゃんの頃から入る方がいい?
医療保険は仕組み上、赤ちゃんの頃から加入することも可能です。
しかし、赤ちゃんや小さい子供の場合、自治体の医療費助成制度があるおかげで、治療にかかる費用についてはそこまで自己負担分は高くありません。
このため、自治体の医療費助成制度の対象外となる年齢(高校卒業時など)に、医療保険に入って保障を維持するのもおすすめです。
加えて、差額ベッド代や入院中の食事代など保険が適用されない費用の負担をできるだけ抑えたい場合は、子供が赤ちゃんの頃からでも医療保険に入る選択もあります。
子供の保険にいつから入れるのかについては、以下の記事も役に立ちます。
関連記事:子供の保険はいつから入れる?種類や保障内容・加入するなら何歳がベストかも詳しく解説!
子供にはどんな保険をかけるのがいいのか
子供に保険をかけるのであれば、以下の種類がおすすめです。
- 個人賠償責任保険
- 医療保険
- 傷害保険
- 学資保険
「個人賠償責任保険」は、日常生活のなかで他人にケガをさせたり他人の物を壊したりした際に、その賠償責任に対応できます。
たとえば、子供が友達のおもちゃを壊してしまって弁償しなければならない場合などです。
続いて「医療保険」は、病院などでの入院や手術で治療を受ける際に、給付金を受け取れます。
とくに、差額ベッド代などの公的医療保険でカバーされない費用に備えるのに向いています。
さらに「傷害保険」では、ケガで病院への入院や通院が必要なときに保障を受けられる保険です。
子供であれば、遊んでいる最中に医療機関での治療が必要なほどのケガをした際などに役立ちます。
「学資保険」は、子供の将来の教育費を積み立てられるのが特徴です。
毎月支払う保険料で、少しずつ教育資金を準備できます。
子供がスポーツしている場合は傷害保険が必要?
子供におすすめできる保険のひとつに傷害保険があるものの、スポーツ中のケガや故障に備えるために必要なのか気になるかと思います。
傷害保険は、スポーツ中のケガも補償対象に含まれます。
公園などでスポーツして遊んでいる間に治療が必要なケガをしたときも、傷害保険で給付金が支給される仕組みです。
加えてスポーツ中のケガについては、「スポーツ保険」もあります。
こちらは文字通り、スポーツ中に起きたケガに特化していて、個人のほかにスポーツ団体単位での加入も可能です。
なお、スポーツ保険はスポーツ以外でのケガは補償対象に含まれません。
ここまで子供に必要な保険を見てきましたが、より子供におすすめできる保険を知りたい方は、以下の記事も参考になります。
関連記事:子供の保険は必要かを徹底解説!種類や目的・最低限入っておくべき備えとは?
子供の医療保険の疑問は「ほけんプラネット」へ

子供の医療保険について、いろいろと疑問やお悩みがある方もいるかもしれません。
もし、子供の医療保険の悩みなどがあるときは、ぜひ「ほけんプラネット」にお話しください。
「ほけんプラネット」では、インターネット上で全国の各都道府県にある保険代理店を探せるうえに、面談の予約までできます。
面談ではお金や保険への専門性が高いプロがしっかりお悩みに沿いながら、最適と思われるプランを提案します。
女性のスタッフも多いため、女性の相談者様にとっても気軽に悩みをお話しいただける環境です。
子供の医療保険についてプロの意見が必要な方は、ぜひ「ほけんプラネット」の利用をご検討ください。


まとめ
子供の医療保険は、通院のみの場合では保障の対象になりません。
入院治療を伴うという条件で、ようやく通院治療でも保障を受けられます。
ただし、傷害保険やがん保険であれば、通院治療のみでも保障の対象です。
一方、医療保険は公的医療保険や自治体の助成制度が適用されない費用に対して役に立ちます。
他にも早いうちの加入で保険料を抑えたり、節税対策に使えたりするため、検討する価値は十分にあります。
医療保険関連の悩みなどがある場合は、ぜひ「ほけんプラネット」にご相談ください。

