終身保険は死亡時にも解約返戻金がある?保険金の受け取り方や払込満了後にどうなるのかも解説

終身保険は保障が一生涯続くため、万が一のことがいつ起こっても遺族に確実にお金を残せる保険です。

終身保険に加入している人のなかには「保険金がどのように支払われるのか」「解約返戻金はどんなときに受け取れるのか」など、具体的に理解している人は少ないのではないでしょうか。

本記事では、終身保険は死亡時にも解約返戻金があるのかどうか、満了後にどうなるかなども具体的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

FP2級と宅建士の資格を保有するファイナンスのプロとして、主に子育て中のご家族に向けて幅広く活躍。
教育資金だけではなく、万が一の保障シミュレーションや将来の住宅ローンのことも相談できるマネーセミナー講師としても活動中。

目次

終身保険は死亡時にも解約返戻金がある?

終身保険は被保険者の死亡時にも解約返戻金があるのではないかと、疑問を抱いている方もいるかもしれません。

終身保険では、被保険者の死亡時(または高度障害状態になった場合)には、死亡保険金が支払われます。

解約返戻金が支払われるのは、保険契約を途中で解約したときです。

加入から数年を過ぎて解約すると解約返戻金が受け取れますが、早期に解約してしまうと元本割れの恐れがあります。

払い込んだ保険料の総額よりも解約返戻金が多くなるのは、保険料の払込期間の満了後のケースが多いため、解約のタイミングには注意が必要です。

終身保険で契約者死亡の場合の保険金の受け取り方

終身保険の契約者が死亡した場合は、保険契約時に指定した「保険金受取人」が保険金の受け取り手続きをおこないます。

終身保険で被保険者が死亡した場合の保険金の受け取り方は、以下のとおりです。

  1. 保険金の受取人が保険会社の担当者に連絡を入れる
  2. 保険会社から必要書類の案内と請求書が送付される
  3. 受取人が請求手続きをとる
  4. 保険会社が保険請求書を受理し、支払可否を判断する
  5. 保険金を受け取る

終身保険の保険金を受け取るには、必要書類の準備や請求書の作成などの手続きがあります。

契約者が亡くなることで、保険金の手続き以外にもやるべきことはたくさんあります。

手続きをスムーズに済ませるためにも、生命保険会社の連絡先・担当者・保険の内容などを把握しておくことが大切です。

保険金受取人が死亡した場合はどうなる?

保険金受取人が死亡した場合は、速やかに受取人の変更手続きが必要です。

受取人の変更をしないまま、被保険者が死亡すると、元受取人の「法定相続人」が保険金の受取人になります。

また、受取人の法定相続人が複数人いるときは、死亡保険金を均等分割することが一般的です。

なお、生命保険会社によっては受取人の法定相続人ではなく、「被保険者の遺族」としている場合もあります。

終身保険の解約返戻金とは

終身保険の解約返戻金とは、保険契約者が終身保険を途中解約した際に払い戻されるお金のことです。

終身保険のように貯蓄性のある保険では、払い込んだ保険料は「保障部分」と「貯蓄部分」に分けて積み立てられます。

原則は「貯蓄部分」が解約返戻金となりますが、運用経費や維持費などが引かれるため、全額が払い戻されるわけではありません。

なお、終身保険の解約返戻金には次の3つのタイプがあります。

  • 低解約返戻金型
  • 従来型
  • 無解約返戻金型

それぞれ保険料や解約返戻金の増え方に違いがありますので、参考にしてみてください。

低解約返戻金型

低解約返戻金型では、保険料の払込期間が終わるまでの間、解約返戻金は通常の70%ほどと低く設定されています。

保険料の払込期間中は解約返戻金が少ないですが、払込期間が終了すると解約返戻金は大きく増えるため、経過期間によっては払込保険料の総額を上回ることもあります。

低解約返戻金期間が設けられている分、通常よりも保険料が割安であるため、保険料を抑えながら大きな資金を準備したい方におすすめです。

従来型

従来型は「低解約返戻金期間」などは設けておらず、払込保険料が増えるにつれて、解約返戻金も増えていく一般的なタイプです。

保険料の払込期間が終了する頃には、解約返戻金も同額程度まで増えており、一般的には、保険料を多く払うことで解約返戻金も増えるという仕組みです。

無解約返戻金型

無解約返戻金型はその名の通り、解約返戻金がありません。

解約返戻金をなくすことで、同じ保障内容の終身保険よりも保険料が安く、ここでご紹介した3つのタイプのなかでも、もっとも保険料を抑えられる商品です。

定期保険や医療保険などに多く見られる「掛け捨てタイプ」の商品の多くは、無解約返戻金型に該当します。

終身保険は60歳払込満了後はどうなる?

終身保険は60歳払込満了後はどうなるかのイメージ画像

終身保険に加入している方のなかには、60歳の払込満了後の保険料の支払いや死亡保障などはどうなるのかと、不安に感じている方も少なくありません。

そもそも、終身保険の「60歳払込満了」とは、契約日から被保険者が60歳になって迎えた契約応当日(契約日)の前日までの期間、保険料を払い込む契約のことを指します。

つまり、60歳になって迎えた契約応当日以降は、保険料の支払いが発生しません。

また、60歳払込満了後も途中で解約しない限りは死亡保障が続きます。

ただし、特約部分は主契約の終身保険の保険料が払い終わるのと同時に、特約の保険料も払込期間が終了し、保証もなくなることが一般的です。

終身保険の払込満了後の解約返戻金は?

終身保険の払込満了後の解約返戻金は、払込保険料を上回ることがあります。

なかでも「低解約返戻金型」の終身保険は、満了後の返戻率が100%以上に設定されている商品も多く、払込保険料の総額を大きく上回る解約返戻金が期待できます。

この貯蓄性の高さから、学資保険や老後資金など長期的な資金づくりに活用する方も多いです。

解約返戻金と満期保険金との違い

解約返戻金と満期保険金との違いは、契約した保険期間を満たしているか否かです。

解約返戻金は、契約期間の満了を迎える前に自ら解約した場合、または保険会社から解約された場合に支払われます。

一方で満期保険金は、無事に契約期間の満了を迎えたときに支払われる保険金です。

なお、終身保険は生きている限り死亡保障が続く保険であり、満期という概念がないことから「満期保険金」はありません。

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終身保険の解約返戻金に税金はかかるのか

終身保険の解約返戻金には税金がかかるのではないかと、心配になる方も多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、終身保険の解約返戻金に大きな税金がかかるケースは少ないです。

というのも、解約返戻金に税金がかかるのは、払込保険料の総額よりも50万円以上多く受け取ったときであり、一般の方では非常に稀なケースとなっています。

万が一、50万円以上の利益があった場合は「一時所得」とみなされ、所得税の対象になりますが、実際に税金がかかるのはこの半分の金額です。

【一時所得の計算方法】

{(解約返戻金ー払込保険料の総額)ー50万円}÷2

このことから、終身保険の解約返戻金に大きな税金がかかることは少ないといえます。

参考:一時所得|国税庁

終身保険の死亡保険と定期保険の違いは?

被保険者の万が一に備える死亡保険には、「終身保険」と「定期保険」の2種類があります。

終身保険の死亡保険と定期保険の違いは、保険期間と解約返戻金の有無です。

終身保険の保険期間は一生涯ですので、「満了」という概念がありません。

また、貯蓄性のある保険のため、契約の途中で解約した際は解約返戻金が受け取れます。

一方で、定期保険は「10年間」または「65歳まで」など、あらかじめ保険期間が定められた保険です。

保険期間の満了を迎えると保険料の再計算をしたうえでの更新、または解約のどちらかを選択します。

なお、貯蓄性のない「掛け捨て型保険」であるため、解約返戻金が支払われることはなく、あってもごくわずかです。

終身保険の死亡保険と定期保険はどっちが得?

上述では、終身保険の死亡保険と定期保険の違いに触れましたが「どっちが得なのだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。

終身保険と定期保険はそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどちらがお得かと判断するのは難しいです。

終身保険と定期保険のメリット・デメリットは以下のとおりです。

終身保険定期保険
メリット・契約時から保険料が変わらない・貯蓄の代わりとして活用できる・死亡保障が一生涯続く・保険料が安く抑えられる・終身保険に比べて大きな 保障が準備しやすい
デメリット・定期保険に比べて保険料が高い・定期保険に比べて大きな保障が 準備しづらい・保障期間が定められている・更新時に保険料が上がる・保険料が掛け捨てで貯蓄性がない

終身保険は掛け捨てなのか

終身保険は掛け捨てなのかをイメージした画像

生命保険には大きく分けて「貯蓄型」と「掛け捨て型」がありますが、終身保険は前者の貯蓄型保険に当てはまります。

払込保険料を保障部分と貯蓄部分に分けて積み立てているため、保険料が割高ですが、貯蓄が苦手な人や大きな資金づくりを目的としている人には最適です。

一方の掛捨て型は、保険料を抑えながら大きな保障に備えたい人に向いています。

貯蓄型保険と掛捨て型保険にはそれぞれ特徴があり、保険料や保障期間・保障内容なども異なります。

終身保険はやめたほうがいいと言われる理由

終身保険を利用している人のなかには、恩恵が十分に受けられないなどの理由から「終身保険はやめたほうがいい」との意見をお持ちの方もいます。

終身保険の恩恵が受けられない場合の具体例は、以下のとおりです。

  • 一時的に手厚い保障が欲しいとき
  • 途中で解約する可能性があるとき

終身保険は、生きている限り保障が継続する点が大きなメリットです。

ライフステージの変化などによって「一時的に保障を手厚くしたい」という場合は、掛け捨て型の保険を上乗せするほうがよいでしょう。

また、保険料の払込期間が終わる前に終身保険を解約してしまうと、支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなることがほとんどです。

終身保険の必要性やメリット・デメリットなども確認しておきたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:終身保険はやめたほうがいい?要らないと言われる理由や必要ない人の特徴も解説!

終身保険を解約する場合のベストなタイミングは?

終身保険には「満期」がないため、解約のタイミングに迷う方も少なくありません。

終身保険を解約する場合のベストなタイミングは、以下のとおりです。

  • 解約返戻金が払込保険料の総額を上回ったとき
  • 保険を見直し、新しい保険の保障が始まるとき

終身保険を解約する際は、元本割れのリスクを回避することが重要です。

また、解約返戻金は積み立てた保険料の一部が払い戻されますが、運用経費などが引かれるため、実際にいくら受け取れるのかも確認しましょう。

なお、保険の見直しをおこない新しい保険に契約した後も、保障が受けられない期間をつくらないように注意してください。

新しい保険の保障が始まった後に解約すれば、空白期間をつくらずに済みます。

終身保険の解約はもったいないのか

解約する目的があるにせよ、「終身保険を解約するのはもったいないのではないか」と悩む方も多いと思います。

終身保険の解約がもったいないと感じるのは、下記のような理由からです。

  • 死亡保障がなくなる
  • 元本割れをするの可能性がある
  • 同じ保険にもう一度入ることはできない

生命保険への加入はいつでもできますが、同じ保険にもう一度入ることはできません。

後先考えずに終身保険を解約してしまい、後悔している方も少なくありません。

終身保険のご相談は「ほけんプラネット」へ

ほけんプラネットへの相談をイメージした画像

保険の内容をきちんと吟味して加入した終身保険であっても、生活環境の変化にともなって保険を見直すことも必要です。

また、終身保険には満期がなく、解約のタイミングが図りづらい方も多いと思います。

終身保険でのお悩みや保険の見直し、解約に関するご相談は、「ほけんプラネット」をご利用ください。

「ほけんプラネット」では、全国の各都道府県の保険代理店約40社が取り扱う商品を、その場で一括比較できます。

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また、「ほけんプラネット」には女性スタッフが多数在籍しているため、女性特有のライフステージの変化のお悩みにも親身に対応します。

終身保険のご相談は、ぜひ「ほけんプラネット」の活用をご検討ください。

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まとめ

今回は、終身保険は死亡時にも解約返戻金があるのかどうかなどをご紹介しました。

終身保険は、被保険者の死亡時に「死亡保険金」が支払われ、保険料の払込期間の終了前に契約を途中で解約した際は「解約返戻金」が支払われる仕組みです。

また、60歳払込満了後の終身保険では、保険料の支払いがなく、保障は一生涯続きます。

ただし、特約は払込期間の終了と同時に保障もなくなる点には注意が必要です。

なお、終身保険を解約する際は、以下のように最適なタイミングがあるため、勢いで解約してしまうのはもったいないです。

  • 解約返戻金が払込保険料の総額を上回ったとき
  • 保険を見直し、新しい保険の保障が始まるとき

解約のタイミングを誤ると、元本割れや保障が受けられない空白期間ができる恐れがありますので、慎重に検討してください。

終身保険の見直しやご相談は、ぜひ「ほけんプラネット」をご利用ください。

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