終身保険はやめたほうがいい?要らないと言われる理由や必要ない人の特徴も解説!

終身保険はやめたほうがいいのかを表す画像

将来の万が一の場合などに備えて、終身保険への加入を考える方も多いかと思います。

しかし、「保険料が高いからやめたほうがいい」などと反対され、判断に迷う方もいるのではないでしょうか。

終身保険には保険料が高いなどのデメリットもあるものの、一生涯保障を受けられたり、年月とともに受け取れる保険金が増えるなどの強みもあります。

終身保険の強みと弱みを両方知って、ご自身のライフスタイルとともに考えれば、次第に答えも見えてくるでしょう。

本記事では「終身保険はやめたほうがいいのか」について、不要とされる理由や必要性の低い人の特徴とともに徹底解説します。

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この記事の監修者

FP2級と宅建士の資格を保有するファイナンスのプロとして、主に子育て中のご家族に向けて幅広く活躍。
教育資金だけではなく、万が一の保障シミュレーションや将来の住宅ローンのことも相談できるマネーセミナー講師としても活動中。

目次

終身保険はやめたほうがいいと言われる理由

インターネットの口コミや知人の話で、「終身保険はやめたほうがいい」という話を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。

確かに、一部の方からは終身保険に対するネガティブな印象や感想が語られることがあります。

「終身保険はやめたほうがいい」と言われる理由は、主に次のとおりです。

  • 保険料が高めだから
  • 途中解約で損をすることがあるから

終身保険は、定期保険のような掛け捨て型の保険に比べると、保険料が高いのは確かです。

しかし、保険料が高い代わりに貯蓄機能があるため、支払った保険料で将来受け取れる保険金などを増やせる場合があります。

また「途中解約で損をする」というのは、途中解約の時期によって、受け取れる解約返戻(へんれい)金の額が支払った保険料より少なくなることを指します。

ただこちらも、保険料の払込期間が過ぎた後であれば、解約返戻金が支払い済みの保険料を下回るリスクは減らしやすいです。

終身保険が必要な人の特徴

終身保険への加入を考える際、「私は終身保険に入っていいのだろうか?」と悩むこともあるかもしれません。

実は加入しようとする方のタイプによっては、終身保険は非常に便利かつ有益な存在です。

特に終身保険が必要な人の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 計画的な貯蓄が苦手な人
  • まとまったお金を家族に残したい人
  • 自分の葬儀費用を準備しておきたい人
  • 老後の資金を準備しておきたい人
  • 万が一に備えつつ子どもの教育資金を準備したい人

それぞれについて、ひとつずつ具体的に見ていきましょう。

計画的な貯蓄が苦手な人

まず、計画的な貯蓄が苦手な人は、終身保険の必要性が高いです。

終身保険は、毎月の保険料の支払いを通じて、将来受け取る保険金や解約返戻金を積み立てていける強みがあります。

保険料の支払いは解約しない限り、毎月口座振替などで自動的に引き落とされる仕組みです。

このため、貯蓄が苦手な方でも契約時に振替口座などの情報を届け出ておけば、後は何もしなくても自動的に保険金を積み立てていけます。

まとまったお金を家族に残したい人

また、まとまったお金を家族に残したい人にとっても、終身保険はおすすめです。

終身保険は保障期間が一生涯、つまり被保険者が亡くなるときまで続きます。

加えて、先程も見たように、そのタイミングまで保険金を積み立てていけるのも特徴です。

このため、ご自身を含む被保険者が万が一の場合に見舞われても、ご家族が生活などに困らないように高額の保険金を残せます。

自分の葬儀費用を準備しておきたい人

さらに、自分の葬儀費用を準備したい人も、終身保険の必要性は高いです。

葬儀の情報サービスを展開する株式会社鎌倉新書の調査によると、葬儀費用の平均相場は118.5万円と公表されています。

最も一般的な一般葬では161.3万円、家族など近親者のみが参列する家族葬でも105.7万円です。

火葬のみをおこなう直葬・火葬式では42.8万円が相場ですが、儀式込みで葬儀をおこないたい場合は100万円程度は必要となります。

参考:【第6回】お葬式に関する全国調査|株式会社鎌倉新書

このように、葬儀だけでもかかる金額は高額で、ほかにもお墓の準備費用なども発生します。

お弔いのためのまとまった資金を準備するうえでも、保険料の支払いを通じて保険金を積み立てられる終身保険が向いています。

老後の資金を準備しておきたい人

ほかにも、老後の資金を準備しておきたい人にとっても、終身保険は欠かせません。

2025年現在、基本的に65歳を過ぎると公的年金を受給できるものの、「年金や預貯金だけで生活できるのか」と不安を感じる方も多いかと思います。

しかし、終身保険は公的年金と併用できるため、老後の生活などに必要な資金不足に対応するのに向いている手段です。

終身保険は保険料の払込期間が終わる期限を、「60歳」などの年齢で設定できます。

このため、ご自身の退職時期や公的年金の受給時期に合わせて払込期間が終わるようにすれば、保険料を支払わなくていいうえに、解約返戻金で資金を確保できて安心です。

万が一に備えつつ子どもの教育資金を準備したい人

終身保険は万が一に備えつつ子どもの教育資金を準備したい人にもおすすめです。

終身保険の保険金や解約返戻金は、特に保険料の払込期間が終わって以降は返戻率が上がります。

しかも若いうちに加入した場合、保険料も安く抑えられるうえに保険の運用期間も伸びるため、保険料の負担を気にせずに将来の資金づくりに役立ちます。

働き盛りの方でも、万が一ご自身に何かあった際は、残される子どもの教育資金などが心配になるでしょう。

早いうちに終身保険を活用すれば、万が一のことがあっても十分な教育資金を残しやすいです。

終身保険が必要ない人の特徴

終身保険が必要ない人の特徴を表す画像

終身保険の特徴やメリットなどを見ていったとき、「私は加入する必要がないのではないか」と感じる方もいるかと思います。

確かに、人によって終身保険が必要ないケースもあります。

具体的に終身保険が必要ない人の特徴は、次のとおりです。

  • 一定期間だけの手厚い保障が欲しい人
  • 少ない保険料で保障を持ちたい人
  • 途中解約の可能性が高い人

それぞれの点について、ひとつずつ詳しく見ていきます。

一定期間だけの手厚い保障が欲しい人

まず、一生涯ではなく一定期間だけの手厚い保障が欲しい人については、終身保険の必要性は高くありません。

一定の期間だけ手厚い保障のある保険がお望みなら、終身保険ではなく掛け捨て型の保険が向いています。

掛け捨て型の保険は一定期間だけ保障を受けられる代わりに、保険料は終身保険よりずっと安いのが特徴です。

例えば、子どもが成長・自立するまでに、ご自身の万が一のケースに備えたい方などがおすすめです。

このような場合、保険料の安い掛け捨て型の保険を活用すれば、経済的な負担を抑えながら手厚い保障を準備できます。

少ない保険料で保障を持ちたい人

また、少ない保険料で保障を持ちたい人も、終身保険はおすすめできません。

終身保険は保障期間が一生涯と長い上に、支払った保険料による貯蓄機能もある分、保険料は高めです。

特に子育てや教育費の負担が大きい方の場合、終身保険に加入すると生活を圧迫する可能性があります。

ご自身の家計をチェックしてみて、保険料を少なく抑えながら手厚い保障が必要という方は、定期保険などの掛け捨て型保険を検討するとよいでしょう。

途中解約の可能性が高い人

加入後に途中解約する可能性が高い人も、終身保険は向いていません。

終身保険の場合、保険料払込期間が終わらないうちに途中解約すると、受け取れる解約返戻金が元本割れするためです。

つまり、それまで支払ってきた保険料の合計額より受け取れる金額が少ないため、結果的に損してしまいます。

もし、短期間のうちにまとまったお金を受け取る目的で途中解約するつもりの方は、終身保険は避けるとよいでしょう。

終身保険のメリットとデメリット

終身保険に入るかどうかを考える際、メリットとデメリットの両方をしっかり吟味したい方もいるのではないでしょうか。

まず、終身保険のメリットは次のとおりです。

  • 加入時の保険料で保障を一生涯受けられる
  • 貯蓄性がある
  • 生命保険料控除を受けられる
  • 契約者貸付制度がある

終身保険は保険料こそ掛け捨て型保険に比べて高めですが、その代わりに加入時から保険料は上がりません。

しかも貯蓄性があるため、長く加入するほど、将来受け取れる保険金や解約返戻金が増えていきます。

また、終身保険は生命保険料控除を受けられる点も特徴です。

1年間に支払った保険料に応じて、所得税で最高4万円・住民税で最高2万8,000円が税金計算で控除されます。

参考:No.1120 生命保険料控除|国税庁

ほかにも、終身保険では契約者貸付制度があります。

契約者がお金に困った際、その時点での解約返戻金の7割~9割を限度に、審査なしでお金を借りられて便利です。

一方で終身保険のデメリットは、次のとおりです。

  • 保険料が掛け捨て型保険よりも高い
  • 解約返戻金の元本割れのリスクがある
  • 保障内容を見直しにくい

まず、保険料は掛け捨て型保険よりも割高であるため、長期的に活用するには保険料が家計に与える負担を考えることが欠かせません。

また、途中解約の時期によっては、受け取れる解約返戻金が元本割れする場合にも注意が必要です。

ほかにも、加入期間が一生涯に及ぶため、保障内容の見直しが難しいことがあります。

このため、子どもが独立したときなどライフスタイルに変化があった時点で、意識的に見直すことが大切です。

終身保険は掛け捨てなのか

終身保険について情報を集めていると、「終身保険は掛け捨て型の保険なのか?」と気になるのではないでしょうか。

終身保険は「掛け捨て型」ではなく、「貯蓄型」の保険に分類されます。

「掛け捨て型」の保険とは、毎月支払う保険料が将来受け取れる保険金の元手にならないタイプです。

一方「貯蓄型」とは、支払った保険料が保険金の元手となります。

このため、加入期間中に保険料を支払うたびに、受け取れる保険金の額も増えていく仕組みです。

終身保険は保険料の支払いを通じて保険金を貯めていく点では、資産形成の要素もあります。

終身保険の解約返戻金とは

なお、終身保険は途中解約の際、それまで支払ってきた保険料で積み立てた保険金を、解約返戻金として受け取れるのも大きな特徴です。

解約返戻金の積立や受け取りの仕組みは、以下の図のようになります。

解約返戻金の仕組みを表す画像

具体的には、支払った保険料に一定の利率をかけた金額が、途中解約時に解約返戻金として受け取れる金額です。

利率は保険への加入期間や保険料の支払い状況に応じて高くなります。

このため、終身保険に長く加入し、保険料を着実に支払っていくほど解約返戻金は増える仕組みです。

一方で、保険料払込期間中は利率が低めに抑えられています。

期間中に解約すると、解約返戻金の金額も多くないため、注意が必要です。

また、解約返戻金は保険の解約時に受け取るため、それ以降は保険の保障は一切受けられません。

終身保険や定期保険に加入している人の割合

終身保険や定期保険への加入を考える際、一体どの程度の人が加入しているのか気になりませんか?

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、2021年時点での終身保険の加入率は27.8%、定期保険の加入率は8.7%です。

なお、終身保険に定期保険の保障が付いた「定期付終身保険」についても、加入率が3.3%と公表されています。

終身保険に限れば、全体の3割前後にも及んでいると言えます。

参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター

40代は死亡保険に毎月いくら払っているのか

この記事を読んでいる40代の方で、「同世代の人が毎月死亡保険にいくら払っているのか」を知っておきたい方もいるかと思います。

公益財団法人生命保険文化センターが2022年におこなった調査によれば、40代が1年間に支払っている生命保険料は男性で平均22.4万円、女性で18.6万円です。

月額平均に換算すると、男性は約1.9万円、女性は約1.6万円となります。

なお30代では、男性が年間平均19.9万円(月約1.7万円)・女性は14.0万円(月約1.2万円)であるため、40代になって急に増えている計算です。

参考:2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」|公益財団法人生命保険文化センター

40代以降はがんなど大きな病気のリスクが高まるうえに、子育てに携わる方も非常に多いため、万が一に備える意味で保険にお金をかける方が増えると考えられます。

現在40代ではあるものの、死亡保険で将来に備えたい方もいるでしょう。

もし死亡保険の保険商品選びでお悩みであれば、ぜひ「ほけんプラネット」にその悩みをお話ください。

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終身保険の途中解約はもったいないのか

終身保険に加入中で途中解約を考えているものの、一方で「途中解約はもったいないのではないか」と感じることもあるのではないでしょうか。

終身保険の途中解約は、タイミングによってはもったいないケースがあります。

特に途中解約で受け取れる解約返戻金は、タイミングを誤ると、受け取り金額が支払った保険料を大幅に下回ってしまいかねません。

しかも終身保険を解約すると契約自体がなくなるため、一生涯続く保障や生命保険料控除を受ける条件、契約者貸付制度を利用する権利まで失ってしまいます。

終身保険の解約を考える際は、このまま解約しても問題ないかをよく吟味して結論を出すことが大切です。

なお、終身保険の解約がもったいないかどうかを深く考えたい方は、以下の記事も参考材料になります。

関連記事:終身保険の解約はもったいない?損をしない解約返戻金の受け取りタイミングも詳しく解説

終身保険を解約するのに良いタイミングは?

逆に、終身保険を解約するのに良いタイミングを見計らうのなら、保険料払込期間を過ぎた後を選ぶのがおすすめです。

終身保険の保険料の支払いは保険商品やプランによって、加入している限りずっと支払う「終身払い」と、決めたタイミングまで支払う「短期払い」があります。

このうち「短期払い」では、「65歳まで」や「70歳まで」などと事前に決めたタイミングまでが払込期間とされる仕組みです。

ただ払込期間が終了すると、保険金や解約返戻金への利率が大きく上昇します。

保険商品やプランによっては100%を超え、支払ってきた保険料を上回る解約返戻金を受け取れるケースまであるほどです。

もし、損せずに解約するのなら、保険料を払い終えたタイミングをおすすめします。

ほかにも、新しく加入した保険の保障が始まった時期に解約するのもありです。

この場合、「保障が始まる前に解約しない」ことに注意しましょう。

保障が始まる前に前の保険を解約すると、保障を受けられない期間が発生するためです。

終身保険は60歳の払込満了後も解約できる?

終身保険で保険料を60歳まで支払い、その後の解約を検討する方もいるかと思います。

短期払いで、保険料の払込期間を「60歳まで」としていれば、60歳になった時点での解約も可能です。

ただ、払込期間が終わっていれば、その後も解約しない限りは保障を受けられます。

解約返戻金も受け取りつつ、万が一の保障も用意しておきたいのであれば、別の保険商品を契約しておくのも1つの選択肢です。

終身保険と定期保険はどっちが得なのか

終身保険と定期保険はどっちが得かを表す画像

「終身保険と定期保険では、どっちがお得なのだろうか」と疑問に感じることもあるのではないでしょうか。

終身保険と定期保険のどちらがお得なのかは、保険の加入目的によって異なります。

もし、万が一に備えながら、できるだけ受け取れる保険金や解約返戻金を増やしておきたい方は終身保険がおすすめです。

一方で、保険料は極力抑えながら、万が一に備えて手厚い保障を準備したい方は定期保険が向いています。

両方の保険の特徴やメリット・デメリットをよく比べたうえで、じっくり決めるとよいでしょう。

終身保険と定期保険は両方加入もおすすめ?

もし、終身保険と定期保険のどちらかを決めかねるのなら、両方加入するのも1つの手段です。

終身保険と定期保険を組み合わせる際、終身保険をベース(主契約)にしつつ、定期保険を特約として契約するケースが多いです。

このタイプは「定期保険特約付終身保険」と呼ばれ、契約時に決めた時期までは両方の保険の保障を受けられます。

特に、子どもの独立やご自身の定年退職などの時期まで保障を手厚くできるため、より万が一の場合に備えられます。

ただし、一方の保険だけを契約する場合に比べて、保険料が高くなる点にはご注意ください。

終身保険に加入する場合の注意点

もし終身保険を前向きに検討しているのなら、加入する際の注意点も知っておくことが大切です。

終身保険は定期保険などの掛け捨て型保険に比べると、保険料が割高になります。

このため、家計の収支状況や将来必要な支出を考慮しつつ、今後きちんと払っていけるのかの見積もりを立てるとよいでしょう。

また、あまりにも早い時期に解約すると、受け取れる解約返戻金も大幅に減ってしまいます。

逆に考えれば、長期間活用するほど保険金や解約返戻金が増えていくため、長く付き合っていくことを意識するのがおすすめです。

終身保険に入るタイミングは?

終身保険への加入は、タイミングも重要になります。

できれば、20代や30代などの若くて健康な時期に、今後子育てや老後に向けた資金をつくる必要が出てきたら前向きに考えるのが賢明です。

若いうちに加入しておくと、支払う保険料を抑えながら、将来の資金をじっくりと準備できます。

また40代を過ぎると、がんや脳卒中など大きな病気のリスクが一気に高まるため、健康面で考えてもなるべく早いうちに加入を検討しておくとよいでしょう。

現在のご自身の生活状況を考えても、終身保険に入った方がよいのかわからない方もいるかと思います。

その際はぜひ「ほけんプラネット」で、お金のプロたちに相談してください。

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まとめ

終身保険は「保険料が割高」「解約で損する」などと、やめたほうがいいように言われるケースもたびたびあります。

しかし、人生のなかでいつ起こるかわからない万が一に備えられるうえに、支払った保険料の一部で保険金を増やせるのは終身保険の持つ強みです。

「終身保険はやめたほうがいいのでは」と思ったときは、まず終身保険の強み・弱みと、ご自身が加入を考える理由を踏まえてのご検討をおすすめします。

どうしてもご自身だけで結論を出せない場合は、「ほけんプラネット」のプロの力に頼ってください。

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