就業不能保険の審査に落ちた場合の対処法は?加入の条件や必要な告知内容も詳しく解説

就業不能保険に加入しようとして、保険会社の審査に落ちた方もいるかと思います。
長期間働けなくなった際に保険金を受け取れる就業不能保険ですが、申し込み時の収入や健康状態によっては加入を断られるケースもあります。
しかし、事前に審査に落ちるケースや代わりになる手段を知っていれば、改めて加入を考える際にも不安を和らげながら申し込めます。
本記事では、就業不能保険の審査に落ちた場合の対処法を、加入の条件や必要な告知内容とともに詳しく解説します。


就業不能保険の審査に落ちる理由とは
万が一病気やけがなどで仕事ができなくなったときに役に立つ就業不能保険を申し込んだものの、審査に落ちてしまったという方もいるのではないのでしょうか。
何かあったときに備えたいのに、就業不能保険の審査に落ちて納得がいかない方もいるかと思います。
実は就業不能保険を申し込んでも、保険会社の審査結果によっては落ちてしまう場合もある点に注意が必要です。
逆に、前もって就業不能保険に落ちる理由を知っていれば、この次に申し込む前に対策も打てます。
就業不能保険の審査に落ちる理由でよくあるのが、以下の2つです。
- 加入条件を満たしていない
- 健康状態に問題がある
それぞれの点について、ひとつずつ解説します。
加入条件を満たしていない
まず、保険会社が定める加入条件を満たしていないことです。
就業不能保険は、加入する際に年収や職業などの一定の条件を満たしている必要があります。
年収の場合、100万円以下など極端に低い方や安定した収入がない方、現在無職の方は審査落ちになる可能性が高めです。
一方職業についても、病気やけがをしやすい職種は加入に制限をかけられます。
具体的には自衛官や警察官、建設系の職人など、作業現場でけがに見舞われやすい職種です。
これらの条件に当てはまる方は、就業不能保険の加入難易度が高まります。
健康状態に問題がある
また、健康状態に問題のある方も要注意です。
就業不能保険は申し込む際、現在の健康状態や過去の病歴も必ず問われます。
何らかの病気を治療中だったり、過去に大きな病気を抱えたりした方であれば、審査に落ちやすくなり、保険金額が制限されることもあります。
なかでも持病を抱えている方は、病気の状態によって加入を断られる可能性も十分あるでしょう。
就業不能保険の審査に落ちた場合の対処法
就業不能保険の利用を考えていて審査に落ちると、「他に方法はないものか」と焦ったり不安を感じたりするのではないのでしょうか。
実は就業不能保険の審査に落ちた場合でも、対処法は多く用意されているため、諦めるのは早いです。
就業不能保険の代わりに対処法として、以下の方法があります。
- 公的保障を利用する
- 所得補償保険を利用する
- 引受基準緩和型保険を利用する
- 期間を空けて再度申し込む
それぞれの方法について、順に見ていきましょう。
公的保障を利用する
具体的には、「傷病手当金」と「障害年金」の2つの公的保障を利用することができます。
傷病手当金は、会社員や公務員が加入する健康保険の保障です。
病気やけがを理由に3日連続で働けなくなった翌日から、通算で1年6ヵ月間受給できます。
なお、受給できる金額は、給料の約3分の2程度です。
ただし、傷病手当金はフリーランスや自営業の方は対象に含まれません。
一方、障害年金は病気やけががもとで、生活や仕事に支障が出る方が受け取れます。
加入している健康保険に応じて、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」を受給できる仕組みです。
支給を受けるには、障害等級に当てはまる必要があります。
所得補償保険を利用する
所得補償保険も、病気やけがで働けなくなった際の収入減少に備えられる保険です。
就業不能保険と似てはいるものの、就業不能保険や収入保障保険は主に生命保険会社で取り扱っているのに対し、所得補償保険は基本的に損害保険会社が扱っています。
また、所得補償保険は就業不能保険に比べると、受給できる期間が最大1年程度と短めです。
所得補償保険と就業不能保険の違いをより詳しく理解したい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:所得補償保険と就業不能保険の違いは?支払要件や選び方のポイントもまとめて紹介!
引受基準緩和型保険を利用する
引受基準緩和型保険とは、一般的な医療保険よりも審査基準が緩いものを指します。
持病を抱えているなど健康状態に不安のある方でも加入しやすいように、加入時の審査基準が少ないためです。
ただし、引受基準緩和型の就業不能保険は保険商品がほとんどないため、緩和型医療保険などを検討する必要があります。
緩和型医療保険であれば180日や365日など長期間の入院保障が付くうえに、介護特約を付けられるものもあります。
期間を空けて再度申し込む
ほかにも期間を空けて、再度就業不能保険に申し込むのもひとつの方法です。
就業不能保険では加入の際に健康状態を問われますが、そのなかには医療保険のように「過去5年以内の所定の病気の既往歴」という項目もあります。
このため、一度審査に落ちたとしても、5年程度経過した後に再度申し込めば、加入できる場合もあるでしょう。
ただし、あくまでも可能性であるため、もし5年の間に病気やけがに見舞われた際は、先にご紹介した3つの方法もご検討ください。
就業不能保険の条件は厳しいのか

就業不能保険の利用を考える際、加入や保険金の支払いの条件が厳しいのかが気になる方もいるかと思います。
まず、加入については健康状態が良好で、かつ安定した収入や、病気・けがのリスクが低い職業であれば問題ありません。
一方で保険金の支払いについては、「条件が厳しい」と思われるケースもあります。
まず、就業不能保険は一般的な医療保険と同じように、就業不能状態になってしばらくは「免責期間」があるためです。
「免責期間」は、簡単にいえば保険の保障を受けられない期間を指し、60日や180日(2ヵ月や半年程度)とされるケースが多く見られます。
保険金を受け取りたい場合、この免責期間が終了してもなお働けないことが条件です。
加えて、就業不能保険で保険金の支払いを受ける際、保険会社が定める「就業不能状態」に当てはまらなければなりません。
「就業不能状態」と認定されるためのルールは細かく決まっているため、当てはまらないケースがある点にも注意が必要です。
就業不能保険の告知内容はどんなもの?
就業不能保険に加入する際、職業や健康状態について告知しなければなりません。
申告するべき告知内容は、以下のとおりです。
- 職業・職種・年収・勤務先
- 現在の健康状態
- 既往歴
- 過去の健康診断・人間ドックでの異常の有無
- 身体障がいの有無
- がんの既往歴
- 【女性のみ】妊娠の有無
特に健康状態については、現在の健康状態に加えて、過去の病歴や健康診断などでの異常の有無なども問われます。
告知内容に回答する際、「はい」か「いいえ」で答える形です。
ただ、もし「はい」に該当する項目がある場合は、医療機関名や詳しい病名なども書かなければなりません。
回答結果によっては、保険への加入を断られることがあるため、事前にご理解ください。
また、加入できたとしても、保険料が高くなったり保険金が減額されたりするケースがある点も知っておく必要があります。
就業不能保険に入れない人とは
就業不能保険は加入条件がある程度決まっているため、申し込んだ方全員が入れるわけではありません。
審査に落ちた場合に備える意味でも、事前に就業不能保険に入れない人の特徴を知っていくことも大切です。
就業不能保険に入れない人とは、基本的に重い持病を抱えていたり、うつ病などの精神疾患を抱えたりしている方を指します。
以下で詳しく説明していきますので、加入を考える際にご活用ください。
就業不能保険は持病ありでも入れるのか
就業不能保険の保険商品のなかには、持病を抱えている方が入れないものもあります。
特に、保険商品の告知内容の持病に関する項目で、回答欄に「はい」と答えている場合、持病の程度によっては加入できません。
ただ、持病によって就業不能保険に入れるかどうかは、保険会社や保険商品によって異なるため、事前に確認してみると良いでしょう。
たとえ、就業不能保険への加入が難しくても、代わりに医療保険や引受基準緩和型保険を勧められることもあります。
うつ病や精神疾患の場合
もし、うつ病や精神疾患を抱えている場合、就業不能保険への加入を断られることも多いです。
うつ病や精神疾患は、発症や回復の判断が非常に難しいためです。
このため、保険会社側でも保険の公平性の観点から、うつ病などを抱えている方の加入を認めないケースもあります。
保険商品によってはうつ病や精神疾患の方でも入れることもあるものの、保障で制限されることもありますので、事前によくチェックしましょう。
精神疾患の方向けの就業不能保険について理解を深めたい方は、以下の記事もおすすめです。
関連記事:就業不能保険は精神疾患も対象になる?うつ病や適応障害の方も利用できる公的保障制度も紹介
糖尿病の場合
糖尿病を抱えている方については、保険商品によっては就業不能保険に加入できる場合があります。
特に、2年や5年以内など過去の決まった年数で糖尿病による入院歴がない方であれば、就業不能保険に入れる可能性も高まるでしょう。
ただし、糖尿病の場合でも、加入後の保険料が高かったり、保険金額が通常の方よりも少なくなったりすることがある点に注意が必要です。
なお、糖尿病の方で就業不能保険の審査に落ちた際は、引受基準緩和型保険で代用できるケースもあります。
就業不能保険に入れるBMIの数値
就業不能保険に加入する時、BMI(ボディ・マス・インデックス)の数値も審査基準になります。
就業不能保険の審査で適正とされるBMIの数値は、多くの保険商品で18.0以上27.0未満です。
またBMIは、以下の計算式で算出します。
体重(kg)÷身長(m)の2乗
例えば身長170cm・体重が60kgの方であれば、「60kg÷(1.7m×1.7m)=約20.8」で適正とされる数値の範囲内です。
なお、BMIは25.0以上で肥満とみなされますが、27.0未満であれば肥満の方でも加入できる余地はあります。
ここまで就業不能保険に入れない人の特徴をひとつずつ検討してきましたが、もしご自身が入れるかどうかが不安であれば、ぜひ「ほけんプラネット」にご相談ください。


就業不能保険のメリットとデメリット
就業不能保険の申し込み・加入を考える際、メリットとデメリットを両方知っておきたいのではないでしょうか。
まず、就業不能保険のメリットは、次のとおりです。
- 病気やけがで長期間働けなくなった際の収入減少に備えられる
- 医療保険でカバーされない退院後の療養費用も準備できる
長期間にわたって働けなくなった場合、公的健康保険の傷病手当金や障害年金は支給されますが、それだけでは生活できないケースも多いです。
しかし、就業不能保険に加入していれば公的保障と併用できるため、長期療養中の生活費の不安をかなり軽減できます。
また、退院後の療養費用は医療保険でカバーされない分、就業不能保険があれば自宅療養にも備えられます。
一方、就業不能保険のデメリットは以下のとおりです。
- 就業不能状態になった後に一定の免責期間がある
- 精神疾患の場合は加入を断られる場合がある
保険会社の定める就業不能状態になっても、一定の免責期間があるため、その間は保険金を受け取れません。
加えて、免責期間が終わるまでに回復した場合も保障の対象外となるため、公的保障や貯金などで生活費を何とかする必要があります。
ほかに精神疾患の方は加入できないケースがあるのも、注意を要する点です。
就業不能保険がいらないと言われるのはなぜ?

就業不能保険について調べていて、「就業不能保険はいらない」といった主張を見かけた方もいるかと思います。
「就業不能保険はいらない」と言われるのは、「就業不能保険に頼らなくても公的保険の保障で何とかなる」と考えられているためです。
実際のところ、会社員や公務員であれば病気やけがで仕事が難しい場合、傷病手当金として給料の約3分の2を通算1年6ヵ月にわたって受け取れます。
このため、会社や役所に勤めている方のなかには、病気やけがで働けない時も公的保障に頼れることから、就業不能保険に入る必要はないと感じる方もいる模様です。
就業不能保険は会社員には必要ない?
会社員や公務員は病気やけがで長期療養が必要な場合でも、傷病手当金を当てにできる点で安心感はあるでしょう。
しかし、会社員や公務員でも傷病手当金だけで長期療養中の生活費を賄えない時は、就業不能保険が頼りになります。
特に住宅ローンの返済など大きな固定費がかかっているのであれば、傷病手当金だけで食べていけるかどうかは一度確認すると良いでしょう。
確認したうえで傷病手当金だけでは不足しそうな場合は、就業不能保険の利用も考えてみてください。
会社員に就業不能保険が必要かについては、以下の記事もお読みください。
関連記事:就業不能保険は会社員や公務員はいらない?必要性が高い人や加入条件・告知内容も紹介
就業不能保険の支払いはどんなときに対象になるのか
就業不能保険による保障が必要だと感じた際、「保険金の支払いはどんな時に対象になるのか」と気になるのではないでしょうか。
就業不能保険の支払いがいつどのような条件でおこなわれるのかは、保険会社によって基準が異なります。
就業不能保険が支払われるのは、基本的に長期間の就業不能状態になった場合ですが、その就業不能状態の定義が保険会社によってさまざまです。
一方で就業不能保険には「免責期間」や「支払削減期間」もあるため、こちらも一緒に知っておくことが大切です。
免責期間とは?
「免責期間」とは、就業不能状態になった後に設けられる、一定日数の保障が適用されない期間を指します。
つまり、就業不能状態になっても免責期間のうちは就業不能保険の保険金は支払われません。
免責期間は保険会社や保険商品によって異なりますが、60日や180日に設定されるのが一般的です。
加えて、保険商品によって免責期間を後から設定できるものと、事前に設けられているものとがあります。
ただ、免責期間の日数が長い就業不能保険は保険料も安くなるため、月々の保険料負担を軽くするうえでメリットです。
支払削減期間とは?
就業不能保険の保険商品には、「支払削減期間」が設けられているものもあります。
支払削減期間とは、就業不能状態と認められた後に支払われる保険金の額が少なくなる期間のことです。
支払削減期間の日数は、就業不能状態と認められてから540日間というケースが一般的です。
なお、支払削減期間が終わるまでに受け取れる保険金の割合は、保険会社や保険商品によって異なります。
就業不能の状態の具体例
就業不能保険の保険金を受け取る際、保険会社の定める就業不能状態に当てはまることが欠かせません。
しかし、何をもって就業不能状態とするかは保険会社次第であるため、具体的にどのような状態なのかが気になるかと思います。
就業不能状態としてよく挙げられるのが、次のようなものです。
- 病気やけがの治療のために入院している状態
- 病気やけがの治療で医師の指示を受けながら在宅療養している状態
- 障害等級1級または2級と認定された状態
なお、病気やけがの治療で入院や自宅療養している状態については、精神疾患の場合を除外していることも多いため、注意が必要です。
就業不能状態の具体的な例について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
関連記事:就業不能状態の例は?働けなくなる確率や原因・支払いまでの待機期間についても解説
就業不能の原因ランキング
就業不能、つまり働けなくなる状態になる原因に何があるのかを知りたい方もいるかと思います。
就業不能になる原因のランキングについては、チューリッヒ生命が2022年6月に公表した調査結果が参考になります。
それによると、最も多いのが「うつ病や統合失調症など精神の疾患」の22.6%です。
また、2番目に多いのが「交通事故以外の事故(転落など)によるケガ」の18.0%、3番目に多いのが「交通事故によるケガ」の15.3%と続きます。
上位3つの原因を合計すると55.9%と過半数です。
参考:病気やケガで10日間以上働けなくなった人への実態調査|チューリッヒ生命
このように精神疾患や事故によって、長期間に渡って働けなくなる割合が高いといえます。
就業不能保険の審査に落ちた場合のご相談は「ほけんプラネット」へ

就業不能保険に申し込んだものの、審査に落ちたことで悩む方もいるのではないでしょうか。
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まとめ
就業不能保険は長期間働けなくなった際の収入減少に備えられますが、職業や健康状態などによっては審査に落ちることもあります。
特に精神疾患を抱えている方は、発症や回復の判断が難しいため、加入を断られるケースも多いです。
ただ就業不能保険が難しい場合でも、公的保障や引受基準緩和型保険などの代替手段はあるため、そちらもご検討ください。
もしご自身だけで判断が難しい場合は、「ほけんプラネット」にご相談ください。