就業不能給付金とは?加入率や給付額・対象条件についても紹介

就業不能給付金とは何かをイメージした画像

想定外の病気やケガで働けなくなったときの備えとして、就業不能保険を検討される方は多くいます。

しかし、いざ働けなくなったときに「どの程度の保障が得られるのか」「すぐに給付が受けられるのか」など、就業不能給付金については、具体的に知られていないのではないでしょうか。

そこで本記事では、就業不能給付金とはどのようなものなのかを具体的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

FP2級と宅建士の資格を保有するファイナンスのプロとして、主に子育て中のご家族に向けて幅広く活躍。
教育資金だけではなく、万が一の保障シミュレーションや将来の住宅ローンのことも相談できるマネーセミナー講師としても活動中。

目次

就業不能給付金とは?

就業不能給付金とは、病気やケガで働けない状態が一定期間続いた場合に、所定の条件を満たすことで保険会社から支払われる給付金のことです。

給付金の支払い方法には「一時金」「年金形式」「月払い」などがあり、保険商品ごとに異なります。

また、給付対象とみなされる「就業不能状態」についても保険会社によっては細かく設定している場合がありますが、一般的には長期入院や医師の指示により在宅療養をしていることなどを指します。

ただし、うつ病などの精神疾患は保障の対象外としている保険商品も多く、保険会社によって保障の対象範囲や支払条件が異なる点には注意が必要です。

就業不能と就労不能の違いは?

生命保険の保険商品について調べていると、「就業不能」や「就労不能」といった言葉を目にするため、混乱する方もいるかもしれません。

しかし、「就業不能」と「就労不能」に大きな違いはなく、どちらも「就業不能状態」を指しています。

就業不能保険の対象条件とはどんなもの?

就業不能保険の対象条件には、長期入院や在宅療養などが挙げられますが、具体的にはどんなものを指すのでしょうか。

ここでは、就業不能保険の対象条件について、下記の内容から深掘りしていきます。

  • 就業不能状態の具体例
  • 就業不能の原因ランキング

それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

就業不能状態の具体例

就業不能保険の対象条件は、保険会社によってさまざまです。

しかし、一般的に次のような状態の場合は「就業不能状態」と判断されます。

  • 病気またはケガの治療を目的として、長期入院をしている状態
  • 医師の指示により、自宅等で在宅療養をしている状態
  • 障害等級1級または2級に認定された状態
  • 「特定障害状態」に該当した状態

上記のいずれかに該当するようであれば「就業不能状態」とみなされ、保障対象として扱われるでしょう。

就業不能状態の具体例については、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:就業不能状態の例は?働けなくなる確率や原因・支払いまでの待機期間についても解説

就業不能の原因ランキング

チューリッヒ生命が実施した「病気やケガで10日以上働けなくなった人への実態調査」のデータを参考に、就業不能の原因ランキングをご紹介します。

全体では「うつ病や統合失調症など精神の疾患」が22.6%と最も多く、次いで「交通事故以外の事故によるケガ」が18%、「交通事故によるケガ」が15.3%という結果でした。

就業不能の原因ランキングのイメージ画像

男女ともにうつ病などの精神疾患などが原因で就業不能になるケースが多く、20代や30代の若い世代の割合が高いというデータも出ています。

また、精神疾患で就業不能になった方の約半数が「社会復帰するまでに6ヵ月以上かかった」と回答していることから、療養期間が長期化しやすいことがわかります。

参考:病気やケガで10日以上働けなくなった人への実態調査 | チューリッヒ生命

就業不能保険の加入率

2021年度に生命保険文化センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査」のデータによると、就業不能保険の世帯加入率は18.4%(世帯主15.9%・配偶者6.5%)という結果でした。

世帯主の加入年齢を見てみると、「30歳~34歳」が最も多く、現役世代とされる「50歳~54歳」までは30%前後の高い加入率ということがわかります。

また、就業不能保険の特性上、働き盛りを過ぎてからや老後になってからの必要性は低いため、「55歳~59歳」から徐々に減少傾向にあります。

なお、2018年の同調査では就業不能保険の世帯加入率は12%程度だったことから、家計を支える人が働けなくなったときのリスクに備える動きが年々高まっているようです。

参考:2021年度 生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター

就業不能保険の給付額はどのくらい?

就業不能保険の給付額はどれくらいかをイメージした画像

就業不能保険の給付額は、働き方や支払対象期間によって異なりますが、おおよそ「月額5万円~50万円」の間で設定されることが多く、万単位で金額を変更できる商品が一般的です。

就業不能保険の給付額をどのくらいにすればいいか迷う場合は、次の内容を参考に検討してみてください。

  • 「月額10万円」を基準にして考える
  • 毎月かかる固定支出に備える
  • 現在の月収額に設定する

就業不能保険は「働けなくなったときの収入減少に備えること」が目的ですので、不足する収入を補てんできる金額に設定します。

このとき、「会社員や公務員」と「個人事業主」では公的な保障に違いがあるため、就業不能保険でカバーする内容も変わる点には注意が必要です。

「いくらに設定すればいいかわからない」という場合、会社員や公務員の方は「月額10万円」、公的保障が不足する個人事業主の方は「月額15万円」を基準に検討してみてください。

ただし、家計に無理のない範囲で保険料を設定する必要があるため、まずは毎月必ずかかる住宅ローンや家賃などの固定支出に対応できる金額に設定する方法もおすすめです。

なお、家計に余裕がある方や、休業中も今と変わらない生活を送りたいという方は、現在の月収金額に合わせて設定するとよいでしょう。

就業不能保険は何年もらえる?

いざ、ケガや病気で働けなくなってしまった場合、「就業不能保険は何年もらえるのだろうか」と、気になる方も多いのではないでしょうか。

詳細は保険商品によって異なりますが、所定の「就業不能状態」が保険会社が提示する「支払対象外期間」をこえて継続する場合、最長で保険期間満了まで給付されるケースが一般的です。

保険期間の満期は「55歳~70歳の間」で設定できる商品が多く、「子どもが独立するまで」「退職するまで」など、今後のライフプランや保障の目的に合わせて設定します。

「支払対象外期間」については、次の章で解説します。

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就業不能保険の条件は厳しいのか

就業不能保険は、働き盛りの現役世代の方に注目されている保険ですが、一部では「給付金の支払条件が厳しい」という意見もあります。

就業不能保険の支払条件が厳しいといわれる理由には、以下の内容が挙げられます。

  • 免責期間が設定されている
  • 精神疾患は保障対象外の可能性が高い

就業不能保険では、保険会社に「就業不能状態」と認められた場合でも、給付を受けるまでに60日〜180日の免責期間(待期期間)があります。

この期間を経ても症状が回復しない場合に給付金が支払われるため、免責期間の間に症状が回復すると給付は受けられませんのでご注意ください。

また、「就業不能状態」の原因がうつ病などの精神疾患であると、就業不能保険では保障されないケースが多いです。

精神疾患の場合、罹患および完治の判断が難しいことなどから、保障対象外としている商品が多いです。

ですが、精神疾患なども保障対象として扱う商品もありますので、諦めずに探してみましょう。

就業不能保険のデメリットとは

上述のとおり、保険会社で就業不能状態と認められた場合でも、すぐに給付金が支払われない点や、精神疾患は保障対象外になる可能性が高い点はデメリットといえます。

しかし、就業不能保険に加入することで、公的保障や民間の医療保険などでも補えない部分をカバーすることができるため、経済的な不安が解消されて安心感を得られるメリットもあります。

就業不能保険に加入する際は、デメリットをしっかりと踏まえたうえで「免責期間」と「保障の対象範囲」の2点を事前に確認することが重要です。

個人事業主には就業不能保険が必要?

個人事業主に就業不能保険は必要かをイメージした画像

個人事業主として働く方には、就業不能保険の必要性が高いといえます。

理由は、個人事業主の方が加入する「国民健康保険」には、会社員や公務員が加入する健康保険のような有給休暇や傷病手当金といった保障制度がないからです。

そのため、病気やケガなどで働けなくなった際に、すぐに収入が途絶える可能性が高く、一定の貯蓄がある場合でも、働けない期間が長期化するにつれて貯蓄が減っていくことは心理的な負担になります。

また、障害年金の受け取りについても、障害基礎年金のみとなるため会社員や公務員に比べて給付額は少ないです。

個人事業主の方で就業不能保険についてもっと知りたいという方は、下記の記事を参考にしてみてください。

関連記事:個人事業主に就業不能保険はおすすめ?メリットや加入率・条件も解説!

会社員や公務員に就業不能保険は必要ない?

会社員や公務員の方が働けなくなった場合、有給休暇や傷病手当金などの公的保障が受けられます。

傷病手当金は、ケガや病気などが原因で4日以上休んだ場合に、直近12ヵ月の「平均収入の3分の2程度」の金額が最長1年6ヵ月給付されます。

手厚い保障があるため「就業不能保険は必要ないのではないか」と感じる方も多いですが、公的保障だけで収入減少のすべてをカバーすることは難しいです。

傷病手当金や障害年金を受給できたとしても健康時の収入額には満たないため、不足分は貯蓄から補てんすることになります。

そのため、預貯金で継続的に収入減少をカバーできる場合を除いては、就業不能保険の必要性が高いといえます。

関連記事:就業不能保険は会社員や公務員はいらない?必要性が高い人や加入条件・告知内容も紹介

就業不能保険はうつ病の人にもおすすめ?

就業不能保険では、うつ病などの精神疾患を加入対象外とする商品が多いため、一概におすすめすることはできません。

精神疾患は罹患や完治といった症状の判別が難しく、契約者間の保障が不公平になる可能性があることなどから、加入対象外とする保険会社が多いです。

ですが、うつ病やその他の精神疾患も加入対象となっている商品は存在しますので、諦めずに探してみましょう。

うつ病で自宅療養をする場合に就業不能保険に加入できるか否かについて知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:就業不能保険はうつ病で自宅療養する場合も入れる?通院歴の影響や告知義務・加入の注意点も解説

うつ病の方で就業不能保険を検討している方は、一度「ほけんプラネット」へのご相談もご検討ください。

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まとめ

今回は、就業不能給付金とはどのようなものなのかを解説しました。

就業不能給付金とは、病気やケガで働けない状態が一定期間継続した場合に、所定の条件を満たすことで保険会社から支払われる給付金を指します。

就業不能給付金の給付を受けるには、保険会社に「就業不能状態」と認定され、免責期間を経ても状態が改善しない場合に限るため、加入前に対象条件や支払条件についてしっかりと確認しましょう。

なお、就業不能保険の給付額を設定する際は、自分の働き方や今後のライフプランに合わせて家計に無理のない範囲内で決めることが賢明です。

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