学資保険の貸付は恥ずかしい?契約者貸付のメリット・デメリットや申請のやり方も解説

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「急にお金が必要になって学資保険の契約者貸付を利用したいけれど、家族や親族などの目が気になってしまう」

そんな不安を抱えてしまうことがありませんか?

学資保険の契約者貸付は、保険に加入している方であれば審査なしでお金を借りられる制度です。

ただし、自分で支払った保険料で積み立てた保険金(解約返戻金)を元手に借りる仕組みのため、何も恥ずかしいことではありません。

将来受け取る教育資金を前借りすると考えれば、利用する際の気持ちのハードルもだいぶ低く感じられるでしょう。

本記事では学資保険の貸付のメリット・デメリットや、申請の方法などを徹底解説します。

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この記事の監修者

都内某企業の人事部で給与・社会保険関係・採用・教育などの業務に携わる中で、税や社会保障など、広い範囲でマネーの知識は不可欠だと感じ、2010年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。
国内生命保険会社での保険営業を経て、独立系FPとして、子供の金銭教育普及活動やファミリー層中心のライフプランセミナーなどで講師を務める2児の母。同じ子育て世代の方が気軽に相談できるFPをモットーに活動中。

目次

学資保険の契約者貸付制度とは

学資保険の契約者貸付制度とは、学資保険に加入している間にお金に困った際、保険会社からお金を借りられる制度です。

加入期間中に冠婚葬祭などの急な出費が必要になった際、保険会社に相談すると利用できます。

契約者貸付制度で借りられる金額は、中途解約時に受け取れる解約返戻(へんれい)金の範囲内です。

しかも、カードローンや消費者金融などと異なり、審査を経ないで借りられます。

制度を利用した場合でも保険契約は継続するため、加入期間中にお金に困ったときも気軽に利用できて安心です。

学資保険で貸付を利用するのは恥ずかしいのか

「学資保険に入っている期間中に貸付制度を利用できる」とはいっても、実際にお金を借りるのが恥ずかしい方もいるかと思います。

ですが、学資保険の貸付を利用することは、特別恥ずかしいことではありません。

というのも、学資保険の貸付は解約返戻金を元手に借りる仕組みであるためです。

解約返戻金は、親などの契約者が加入してから払い続けてきた保険料を元手にしています。

給料の前借りのような感覚で、将来受け取る予定の保険金から一時的に借りるため、恥じ入る必要はありません。

ただし学資保険の貸付は、「貸付」を冠している点では普通の借金と同じです。

貸付制度を利用したら、必ず満期など契約が終了するまでに返済しなければなりません。

学資保険とはどういうものなのか

そもそも学資保険がどのようなものなのか、よくわからない方もいるのではないでしょうか。

学資保険とは、将来の子どもの教育資金を積み立てるための保険です。

加入後毎月支払う保険料を元手に、少しずつ教育資金を準備していきます。

そして、「15歳」や「大学入学時」など契約時に決めた満期を迎えると、今まで積み立ててきた保険金をまとめて受け取れます。

また、満期を迎える前でも事前に決めたタイミングで祝金を受け取れるのも特徴です。

学資保険は、保険料の引き落としなどで自動的に積み立てるため、貯金が苦手な方でも無理なく教育資金をつくれます。

加えて、支払った保険料は毎年の年末調整や確定申告を通じて、税金の控除を受けられるのも魅力です。

学資保険をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

関連記事:学資保険とは?メリット・デメリットや選ぶ際の4つのポイントも紹介!

契約者貸付の申請のやり方

学資保険の契約者貸付を利用するには、決められた方法で手続きする必要があります。

申請方法はインターネットや郵送、電話受付などさまざまです。

インターネットで申し込む場合は、保険会社の公式サイトでマイページにログイン後、案内に従って手続きします。

一方、郵送や電話受付で申請する場合は、以下の必要書類を準備してください。

  • 保険会社所定の請求書
  • 公的証明書の写し(コピー)
  • 保険証券
  • 印鑑
  • 給付金の受取口座のキャッシュカードまたは通帳

以上の書類すべてを揃えて提出し、手続きが完了した時点で貸付金が入金されます。

ただし、書類が1点でも足りないと手続きが完了しないため、入金までに時間が掛かります。

なかでも保険証券は、なくしてしまった場合には再発行手続きが必要です。

再発行手続きにも時間がかかるため、貸付金の手続きが完了するのが大幅に遅れる場合もあります。

保険証券はいざというときにすぐ用意できるように、わかりやすい場所に保管しておきましょう。

学資保険の貸付限度額

学資保険の貸付限度額は、申請する時点での解約返戻金の7割~9割です。

例えば、手続きの時点で解約返戻金が100万円であれば、70万円~90万円を上限に借りられます。

なお、学資保険の解約返戻金は、加入期間や支払ってきた保険料に応じて増えていく仕組みです。

このため、加入期間が長い方や多くの保険料を支払ってきた方ほど、契約者貸付制度で借りられる金額も大きくなります。

ちなみに学資保険の加入期間や解約返戻金額は、契約時に自宅に送られる保険証券で確認できます。

加えて、保険会社の公式サイトのマイページでも照会できるようになっていることが多いため、急ぎでチェックしたい場合はマイページをご確認ください。

返済期限や返済方法

学資保険の契約者貸付で借りた金額は、具体的な返済期限は決まっていません。

ただし、一般的には満期や解約などで保険契約が終了する日までに返すルールです。

もし、保険契約の終了日までに返済できない場合、満期保険金から返済できていない分の元本と利息が差し引かれます。

受け取れる金額が減る分、当初期待していた金額がもらえない事態になるため、保険契約が終了するまでには返すよう注意が必要です。

また、契約者貸付の返済方法には、全額をまとめて返す方法と一部だけ返済する方法があります。

ただし、保険商品によって利用できる方法が異なるため、必ず事前に保険会社にご確認ください。

返済手続きも、保険会社の公式サイトや電話などでできます。

学資保険の契約者貸付のメリット

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学資保険の契約者貸付を利用する際、メリットが気になる方も多いかと思います。

学資保険の契約者貸付のメリットは、以下のとおりです。

  • 保険を解約せずにまとまったお金を借りられる
  • 借入の審査が不要
  • カードローンよりも金利が低い
  • 期限がなく柔軟に返済できる

以上の4つのメリットの内容を詳しく知れば、今後契約者貸付を利用する際に便利です。

あわせて、契約者貸付を利用する際の心理的なハードルも下げられます。

以下の各項目でひとつずつ見ていきましょう。

保険を解約せずにまとまったお金を借りられる

学資保険で契約者貸付を利用する際、保険契約を解約しなくても、まとまったお金を借りられます。

生命保険商品に加入している期間中にまとまったお金が必要な場合、保険を途中解約して解約返戻金を受け取る方法があります。

しかし、学資保険を途中で解約して、解約返戻金を受け取る際、今まで支払ってきた保険料の総額を下回るケースも多いです。

特に、保険料の払込期間が終わらないうちは返戻率が低く抑えられています。

加えて、解約返戻金を受け取る場合は保険契約も消滅するため、また一から教育資金を準備し直さなければなりません。

一方、契約者貸付であれば、保険契約を解約せずに済みます。

満期を迎えるまでに返済すれば、保険金も予定どおり受け取れる点で安心です。

借り入れの審査が不要

契約者貸付を利用する際、消費者金融のような借り入れ審査はありません。

契約者貸付で借りるお金は、今までの保険料の支払いで積み立ててきた保険金(解約返戻金)です。

つまり、ご自身が将来受け取る保険金の一部を一時的に前借りするため、保険会社による審査はおこなわれません。

ちなみに貸付を利用するにあたって保証人も求められないため、家族に保証人になるようにお願いせずに済みます。

先ほども触れた必要な書類を準備して、所定の手続きが完了すれば、1週間程度で入金されます。

なお、保険商品によっては申し込んだ当日に入金されるケースもあって安心です。

カードローンよりも金利が低い

学資保険の契約者貸付は、金利がカードローンより低く抑えられています。

カードローンの金利は、貸付金額に応じて最大で年率15.0%~20.0%です。

参考記事:上限金利について|日本貸金業協会 

一般的に金利が高いほど、借金返済時に元本と一緒に支払う利息の額も大きくなる仕組みです。

同時に、借りた金額が大きいほど利息の金額も膨らみます。

しかし、学資保険の契約者貸付に適用されている金利は、年率2.0%台と低く設定されています。

そのため、借りた金額や適用される金利によっては、カードローンに比べて返済の負担を抑えられる可能性があります。

実際に貸付を利用する際は、事前にシミュレーションしたうえでご検討ください。

期限がなく柔軟に返済できる

学資保険の貸付は、返済期限がない点も大きな特徴です。

より正確には、保険契約が終了する時期までに返せばいいため、長期的にじっくり返済できます。

返済の際も全額をまとめて返す以外に、借りたお金の一部を返す一部返済が使えるルールです。

1回あたりで返す金額も一定の範囲内で柔軟に決められるため、ご自身の財布事情に応じて返すことができます。

保険商品によっては利息だけ返済する方法も使えるため、お金に余裕のあるときにまとまった金額を返済するのも可能です。

しかも、取り立てもカードローンや消費者金融ほど厳しくないため、返済に対するプレッシャーもあまり強くありません。

契約者貸付を利用した場合、返済に対する不安はある程度抑えられるのもメリットです。

学資保険の契約者貸付のデメリット

学資保険の契約者貸付は、審査が不要な点や返済期限が厳密に決まっていない点などがあるため、便利で借りやすい印象を感じるのではないでしょうか。

しかし、便利な印象のある学資保険の契約者貸付にも、デメリットが何点かあります。

具体的なデメリットは以下のとおりです。

  • 利子が複利でつくので膨らみやすい
  • カードローンよりも利息が高くなる場合がある
  • オーバーローン失効のリスクがある
  • ある程度の積立がないと借入金額が少なくなる
  • 未返済があると保険金から差し引かれる

メリットとともにこれらのデメリットも知っておくと、慎重に判断しながら学資保険の契約者貸付をうまく活用できます。

以下の項目で、デメリットをひとつずつ見ていきましょう。

利子が複利でつくので膨らみやすい

学資保険の契約者貸付を利用した場合、利子に複利がつく点に注意が必要です。

複利とは、利子にも利子がつくことを指します。

利子に複利が適用される場合、最初のうちは元本に利子がつくだけで済みます。

しかし、1年後など一定の期間が過ぎると元本と利子の合計額に利子がつく仕組みです。

さらにまた1年経つと、その利子が追加されていきます。

このように年月とともに利子が積み増されるため、返済までの期間が長引くほど返さなければいけない金額も膨らむのが特徴です。

学資保険の契約者貸付を利用する際は、借りる金額を決めるだけでなく、いつまでに返済すれば負担を抑えられるのかの見通しも欠かせません。

カードローンよりも利息が高くなる場合がある

学資保険の契約者貸付は、適用金利がカードローンよりも低いのが魅力ですが、返済状況次第で実質利息が高まる場合もあります。

先ほども見たように、学資保険の契約者貸付は借りた金額や返済にかかる期間によって、実際の支払い額が膨らむ仕組みです。

そして支払い額の膨らみ方によっては、カードローンで借りる場合に比べて、元本と払うべき利息が大幅に増えるケースさえあります。

オーバーローン失効のリスクがある

学資保険の契約者貸付を利用して長期間返せなければ、「オーバーローン失効」の状態になります。

オーバーローン失効とは、貸付金額と利息の合計額が解約返戻金額を上回ることで、保険契約が失効する状態です。

保険が失効すれば、今まで長い期間をかけて保険料を支払いながら積み立ててきた努力が無駄となります。

まとまった金額の教育資金も受け取れないため、また最初から預貯金などを使って教育資金を積み直さなければなりません。

なお、オーバーローン失効を防ぎたい場合は、計画的に返済を進めていく必要があります。

返済時の支払い金額が解約返戻金の範囲内で収まるように、シミュレーションや借り入れ状況などの管理が重要です。

ある程度の積立がないと借入金額が少なくなる

学資保険の契約者貸付を利用するには、ある程度解約返戻金が積み立てられていることが条件です。

契約者貸付で借りられる金額は、解約返戻金の7割~9割とされています。

同時に解約返戻金は、加入期間や返戻率に応じて増えていく仕組みです。

特に学資保険に入って間もない方は、解約返戻金が十分に積み立てられていない分、まとまった金額を借りられません。

まとまった金額を借りられるほど解約返戻金が積み立てられるには、ある程度の長い期間が必要です。

急ぎでまとまった金額を手にしたい場合は、消費者金融など契約者貸付以外の方法がおすすめです。

未返済があると保険金から差し引かれる

もし学資保険の契約者貸付を利用した際に返しきれていない金額があると、受け取れる保険金額が減ってしまいます。

契約者貸付は解約返戻金(保険金)を前借りするため、保険金を受け取る時点で未返済があると、未返済分の元本と利息分が受け取る予定の保険金額から差し引かれる仕組みになっているからです。

満期など契約終了時に返しきれていない場合、受け取れる予定の保険金も不足します。

予定より受け取れる保険金が足りていないと、教育費の計画も狂いかねません。

特に学資保険を軸に教育費を準備している方は、預貯金など他の方法で不足分を賄う必要が出てきます。

予定どおりに学資保険金を受け取るには、保険契約が終了するまでに利息分も含めて返済を完了させることが大切です。

契約者貸付は、返済の件も含めて計画的に活用しましょう。

契約者貸付は家族にバレる可能性があるのか

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学資保険の契約者貸付を利用した場合、家族にバレるのではないかと心配な方もいるかと思います。

実は契約者貸付を利用した場合、家族に発覚する可能性はあります。

貸付の申し込みを電話などでおこなった場合は、保険会社のスタッフも申し込みした方に配慮して家族に口外はしません。

ただし、自宅に契約者貸付の利用案内や契約内容確認書類が郵送されたことが原因でバレる可能性はあります。

書類も保険会社がルールに基づいて発送するため、申し込んだ側からの発送の拒否はできない決まりです。

なるべく家族への発覚を防ぎたい場合は、申し込んだあとはこまめに郵送物をチェックしましょう。

事前に家族に相談してから、契約者貸付を利用するのもおすすめです。

契約者貸付は信用情報に記載される?

契約者貸付は借金の一種ではあるものの、「信用情報」には記載されません。

信用情報とは、クレジットカードや携帯電話料金などローンを組むものの利用状況や返済状況を記録したものです。

住宅ローンや消費者金融の利用時におこなう審査では、信用情報は必ず確認されます。

特に、返済が一定期間滞っていたり滞納の回数が多かったりすると、信用情報に傷がついて審査の通過率が大幅に下がります。

ただし、学資保険の契約者貸付は審査なしで融資されるため、利用しても信用情報には影響しません。

このため、契約者貸付の完済前であっても銀行のカードローンや医療ローンにも申し込めます。

契約者貸付を返さなかったらどうなる?

もし学資保険の契約者貸付を返さなかった場合、保険契約上さまざまな悪影響に見舞われます。

まず、保険金を受け取る時点で返しきれていなかった分が受け取る予定の保険金額から差し引かれる仕組みです。

例えば受け取る予定の保険金額が150万円で、返済できていない金額が30万円の場合、未返済分の30万円を差し引いた120万円だけ受け取れます。

また、返済までの期間が長引くと複利計算で利息が膨らむため、借金地獄に陥るリスクもあります。

ほかにも、契約者貸付で返済すべき金額が解約返戻金を上回った場合、保険自体がオーバーローン失効する点にも注意すべきです。

契約者貸付の返済が滞ると多くのデメリットがあるため、計画的に返済しましょう。

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学資保険の契約者貸付を利用したいけれど、相談できる相手がいなくて困っている方もいますよね。

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学資保険の契約者貸付の件でも専門的な知識が提供できるため、お気軽にご相談ください。

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まとめ

学資保険では急にお金が必要になった場合でも、契約者貸付でお金を借りられます。

借りられる金額は、最大で解約返戻金の7割〜9割です。

契約者貸付は解約返戻金を元手としているため、加入期間が長い方ほど借りられる金額も増えます。

ただし、複利が適用されて返済すべき金額が膨らむ場合や、返済できなくて保険が失効する場合があったりする点に注意が必要です。

学資保険の加入期間は10年以上と長く、途中でお金に困るケースもあるため、契約者貸付の利用は恥ずかしいことではありません。

とはいえ、借り方によっては返済が難しくなる場合もあります。

学資保険で契約者貸付を利用する際は、事前にしっかりシミュレーションしましょう。

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