学資保険の医療特約はいらない?子どもが医療保険に入っている割合やおすすめの対策も解説
学資保険への加入を検討しているときに、「医療特約も付けたほうがいいのだろうか」と悩む方もいるかと思います。
学資保険の医療特約は、将来の教育資金をつくりながら子どもの病気やけがに備えられる特約です。
ただ、普通に学資保険に加入するよりも保険料が高くなるうえに、保障も医療保険ほど充実していないため、「いらない」と考える方も多くいます。
学資保険の医療特約にはメリットとデメリットの両方があるので、それを知ってからいらないのかどうかを判断しても遅くありません。
本記事では、学資保険の医療特約がいらないのかを、子どもの医療保険への加入率やおすすめの対策とともに徹底解説します。
学資保険の医療特約とは
学資保険の医療特約とは、加入中の学資保険の被保険者である子どもが、病気などにより入院・通院で治療を受けたり手術をしたりした際に給付金を受け取れる保障です。
また、保険商品によっては、小児がん治療などで放射線治療を受けた際に給付金を支給するものもあります。
学資保険に加えて子どもの医療保険にもセットで入るようなものであるため、少しでも保険探しの手間が省けます。
ただし、普通の学資保険の保障に追加される分、保険料が上がる点に注意が必要です。
学資保険の医療特約のメリット
学資保険につく医療特約のメリットのひとつが、保険の契約と一緒に特約も付けられる点です。
通常、医療保険は学資保険とは別物であるため、契約の際は別々に手続きする必要があります。
しかし、学資保険で医療特約を申し込むと、子ども向けの医療保険を別に探したり契約したりする手間がかかりません。
加えて、学資保険と医療保険に一緒に入るようなものである分、子どもの病気などに早くから備えられるのもメリットです。
学資保険で教育資金を貯めながら、子どもの病気やけがへの対策もできる点で役に立ちます。
特に子どもが大きな病気で緊急に治療や手術が必要となった場合、手術費用などを準備する際に便利です。
また、医療特約は途中でも解約できます。
一度加入した後で、やはり解約したいと思った場合は保険会社に解約を申し出られます。
学資保険の医療特約のデメリット
学資保険で医療特約を付けると、まず保険料が高くなるのがデメリットです。
医療特約なしで学資保険に加入する場合より保険料の負担が大きくなるため、事前に支払う保険料のシミュレーションは欠かせません。
また、学資保険の医療特約は、学資保険そのものを解約した際に同時に契約が終了する仕組みです。
特に、学資保険が満期になって契約が終了すると、子どもの医療保障も解約されるため、再度別の医療保険を探さなければなりません。
さらに、医療特約を付けた場合、受け取れる保険金が元本割れする場合があります。
通常よりも支払う保険料が増える一方で、受け取れる学資保険金は増えない分、返戻(へんれい)率が下がるためです。
学資保険に付加できるその他の特約
学資保険では、医療特約以外にも付加できる特約がいくつかあります。
主に以下に挙げるとおりです。
- 育英年金特約
- 傷害特約
- 災害特約
育英年金特約は、学資保険の契約者が死亡するなど万が一の事態になった場合に備えられる特約で、学資保険の満期が訪れるまでの間、年金方式で教育費を受け取れます。
傷害特約は、子どもがけがをした際に給付金が支払われる内容で、骨折などけがの程度に基づいた等級に応じて、受け取れる金額はさまざまです。
災害特約は、子どもが突然の災害や事故でけがをした場合に受けられる保障で、こちらもけがの程度に応じて受け取れる金額が異なります。
学資保険の医療特約がいらない理由とは
学資保険に医療特約が付いていると、子どもの病気やけがに備えられるイメージで便利そうに思えるのではないでしょうか。
一方で、「学資保険に医療特約はいらない」という声も多く聞かれます。
これから学資保険に入る際、医療特約まで考えている方にとっては、医療特約が不要とされる理由も気になるでしょう。
医療特約が不要とされる理由は、次のとおりです。
- 医療保険としては保障内容が不十分なことが多い
- 返戻率が下がってしまう
- 公的医療助成で十分なことが多い
以下の項目でひとつずつ解説していきます。
医療保険としては保障内容が不十分なことが多い
まず、学資保険の医療特約は、一般的な医療保険よりも保障内容が不十分なことが多い点が理由です。
一般的な医療保険では、入院や手術の際の給付金以外にもがん治療や先進医療、女性特有の病気(子宮がんなど)の治療向けの特約などが付けられます。
しかし、学資保険の医療特約の場合、医療保険の主契約の内容のみ保障される仕組みです。
つまり、入院・通院や手術の際に受け取れる給付金のみ保障しているため、それ以外に必要な費用は自身で用意する必要があります。
そのため、学資保険の医療特約だけでは不十分さを感じることも多いです。
返戻率が下がってしまう
また、学資保険に医療特約を付けた場合、将来受け取る保険金の返戻率が下がってしまいます。
返戻率とは、加入中に支払った保険料の総額に対する受け取れる保険金の割合です。
返戻率が100%を超えていれば、返戻率が高い学資保険といえます。
しかし、医療特約付きの学資保険の場合、通常の学資保険に比べて保険料が高いのが一般的です。
医療特約なしの場合に比べて保険料が高い一方、将来受け取れる保険金が増えるわけではないため、自然と返戻率も下がってしまいます。
保険料の負担が医療特約がない場合に比べて大きくなる点も考えると、余計にうれしくないと感じやすいポイントです。
公的医療助成で十分なことが多い
公的な医療助成で十分対応できることも、学資保険に医療特約は不要と考えられる理由です。
近年では少子高齢化対策の一環で、従来の公的医療保険制度に加えて、全国の多くの自治体で子ども向けの医療費助成制度が整備されてきています。
なかでも「子ども医療費助成制度」は、子どもが扶養で加入している公的医療保険と自治体の補助とで、子どもの医療費が実質無料または軽減されるものです。
公的な医療助成制度を使えば、医療費を負担しなくても子どもに十分な治療を受けさせられる場合も多いです。
このため、「わざわざ保険料を追加してまで学資保険に医療特約をつける必要がない」と考える方も少なくありません。
子どもの医療費はどこまで無料なのか
子どもの医療費は、公的医療保険制度や自治体独自の「子ども医療費助成制度」により、多くの自治体で実質無料になります。
本来子どもの医療費負担割合は、0歳から小学校に入学するまでは2割、小学校入学以降は3割です。
しかし実質無料になる自治体では、子どもの親が加入する公的医療保険制度で7割~8割、残りを各地域の「子ども医療費助成制度」で補助されます。
ただし無料となるのは、入院や通院中に受けた治療や薬に掛かる費用だけです。
入院中の食事代や差額ベッド代などは、別途自己負担が必要になるため、注意しましょう。
子どもに医療保険が必要なケース
公的な医療制度で十分対応できることまで考えると、子どもに医療保険を付けるかどうかで悩む方もいるのではないでしょうか。
子どもに医療保険が必要かどうかは、親の考え方によってさまざまです。
子どもの病気やけがも、すでに充実している公的医療制度で十分対応できることを考えれば、わざわざ医療保険に加入する必要性を感じない方も多くいます。
ただ、万が一の大きな病気やけがが心配だったり、子どもの体があまり丈夫ではなかったりする場合は、民間医療保険への加入を考えるのもひとつの手です。
家庭の状況や子どもの普段の健康状態に応じて、医療保険に加入するかどうかを決めるとよいでしょう。
医療保障を充実させたい場合におすすめの対策
子どもの医療保障を充実させたい場合におすすめの方法は、次のとおりです。
- 早いうちに医療保険に加入
- 親の保険の特約を活用する
- 傷害保険や共済保険の活用
子どもの場合、公的医療保険だけで十分対応できるケースが多いです。
しかし、子どものためにより充実した保障を準備したい場合は、早めに医療保険に加入するとよいでしょう。
医療保険も学資保険などの生命保険と同じく、加入した年齢が低いほど保険料も安く抑えられます。
また、親が加入している保険に特約を付けるのもおすすめです。
新規で保険に加入する場合に比べて、手続きの手間があまりかからず、保険料も安く抑えられます。
他にもけがに備えられる「傷害保険」や、保険料が比較的割安な「共済保険」の活用もひとつの方法です。
子どもが医療保険に入っている割合
子どものために医療保険を用意しようと考えるとき、実際に医療保険に入っている子どもの割合が気になるのではないでしょうか。
子どもが医療保険に入っている割合を記録しているデータはありません。
ただし、公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、子どもが個人年金保険を含む生命保険に入っている割合は46.7%です。
つまり、およそ2人に1人は生命保険に加入していることになります。
また、子どもを加入させる目的も、「医療費や入院費のため」が57.4%と最も高い割合です。
なお、次に多いのが「万一のときの家族の生活保障のため」で、全体の35.6%にのぼります。
子どものために医療保険を準備する方は、子どもの病気やけがのほか、万が一の生活資金を準備していることがうかがえます。
参考記事:2021年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター
子どもの医療保険の平均額はいくら?
子どもの医療保険を考える際、加入率だけでなく保険料の平均額も気になりますよね。
先ほどの公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、子どもが加入者か被保険者の保険の年間払込保険料平均額は16万円です。
月額で換算すれば、約1万3,000円程度となります。
金額ゾーン別に見ると、最も多いのが「6万円未満」の37.1%で、これに「12万円~18万円未満」の22.0%が続きます。
全体の6割近くが18万円未満のゾーンに入る計算です。
そして年額18万円は月額に置き換えると1万5,000円となるため、1万円から1万5,000円程度を支払う家庭が多いことがわかります。
参考記事:2021年度 生命保険に関する全国実態調査|公益財団法人生命保険文化センター
学資保険は一人いくらくらいなのか
参考までに、学資保険の保険料もいくらくらいなのか見ていきましょう。
学資保険の保険料を示す具体的なデータはありません。
ただし、大学入学に備えて200万円の学資保険金をかける家庭が多いことを考えると、子どもが生まれた段階で加入した場合で年額約11万円~12万円・月額で約1万円程度です。
家庭によっては200万円以上の金額をかけているケースもあるため、より広く見て月1万円~2万円程度と考えておくとよいでしょう。
先程の医療保険の月額に比べると、学資保険の方が若干高めです。
学資保険の保険料の相場や金額の決め方は、以下の記事も一緒にお読みください。
関連記事:学資保険の月々の平均相場は?金額の決め方や掛け金の安い保険についても解説
学資保険は月2,000円ほどで足りる?
学資保険の保険金は最低限でもよいので、毎月の保険料も極力抑えたい方もいるのではないでしょうか。
学資保険商品のなかには、月額2,000円で済むものもあります。
ただ、あまりにも保険料が安い分、大学入学時の費用には十分とはいえません。
文部科学省の調査では、大学入学年度の費用は国立大学で約82万円、公立大学で約93万円、私立大学で約117万円が平均です。
最低でも80万円程度は必要となるため、月々2,000円の支払いでは十分な金額を用意できません。
参考記事:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
ただし、高校以下の教育機関であれば月々2,000円の保険料でも教育費を工面できる可能性はあります。
文部科学省の調査では、公立中学校1学年で必要な教育費は平均で約53万円、公立高校で約63万円です。
全額とはいかなくても大部分は準備できます。
学資保険が月々2,000円で足りるかどうかは、以下の記事でも検証しています。
関連記事:学資保険は月2,000円で足りる?保険料の月額平均目安や毎月の支払額の決め方も紹介
学資保険は入らなくてもいい?
子どもの教育資金を準備するのに、「学資保険に入らなくてもいいのではないか」と考える方もいます。
ソニー生命の調査によると、高校生以下の子どもを持つ親が学資保険に加入している割合は43.7%です。
全体の4割程度が加入していて、教育資金を準備する方法で最も高かった銀行預金の56.4%に次ぎます。
逆に考えると、学資保険に加入していない割合は約57%に上るため、入っていない方が若干多めです。
教育資金を準備する方法には、他にも預貯金や投資信託などさまざまな方法があるため、必ずしも学資保険に入る必要はありません。
学資保険に入っていない割合や入らない方がいいとされる理由は、以下の記事もぜひご一読ください。
関連記事:学資保険に入ってない割合は?入らない方がいいと言われる理由や代わりになるものも紹介
家庭に合った学資保険を選ぶポイント
学資保険に加入する際、できるだけ我が家に合った保険商品を選びたいのではないでしょうか。
学資保険を選ぶポイントは、次の3つです。
- 保険料の払込期間
- 子どもが生まれたらすぐ加入を検討する
- 複数の保険会社・保険商品を比べる
まず、保険料の払込期間を短くするほど、保険の返戻率を上げられます。
つまり、支払った保険料よりも受け取れる保険金が増える可能性が高くなりやすいです。
ただ、毎回支払う保険料が増えるため、家庭の財布事情とのバランスをよく考えましょう。
また、子どもが生まれたらすぐ加入を考えるのも大切です。
学資保険は加入期間に応じて返戻率が高まるため、早く加入するほど多くの保険金を受け取りやすくなります。
子どもの出生前でも、出生予定日の140日前から加入できる保険商品もあるため、早くから学資保険への加入を考えている方は検討する価値は十分あります。
複数の保険会社や保険商品を比較することもポイントです。
保険会社や保険商品によって返戻率や保険料が異なるため、比べることで家庭の事情に合った保険商品を見つけられます。
学資保険の医療特約が必要かは「ほけんプラネット」でご相談を
学資保険に医療特約を付けるかどうかで悩むのなら、ぜひ「ほけんプラネット」にご相談ください。
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家庭の事情をしっかり聞いたうえで、医療特約が必要なのかもアドバイスいたします。
まとめ
学資保険の医療特約は、教育資金の積み立てとともに子どもの病気やけがに備えられる保障です。
しかし、一般的な医療保険ほど保障が充実していないうえに、普通の病気やけがであれば公的な医療助成で十分対応できます。
ただ、どうしても子どもの大きな病気やけがに備えたいのであれば、学資保険の医療特約を考えてみてもよいでしょう。
もし、学資保険に医療特約を付けたほうがいいのかで悩むのであれば、ぜひ「ほけんプラネット」でお金のプロに相談してみてください。