学資保険の必要性は?入る理由や特に必要な人・余裕がない場合の方法も紹介

将来の子どもの教育資金をつくる方法に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なかには学資保険を考える方もいるかと思います。
学資保険は、毎月の保険料で教育資金を積み立てられるのがメリットです。
一方で、急にお金が必要となっても途中で引き出せないデメリットもあるため、必要性があるのかに悩まされるでしょう。
教育資金をつくる方法は学資保険以外にもあるため、学資保険に入る余裕がない方や加入で悩む方も検討する価値があります。
本記事では学資保険の必要性を、入る理由や必要な人、学資保険の代わりに使える方法などとともに見ていきます。


学資保険の必要性は?
学資保険が必要なのかどうかは、ご家庭の状況によっても異なります。
将来の子どもの教育資金を準備する方法はいくつかあり、よく使われる方法のひとつが学資保険です。
学資保険は月々の保険料を積み立てることで、将来まとまった額の保険金を受け取れます。
確実に教育資金を積み立てられるうえに、子どもの年齢や入学などの節目に応じて祝い金をもらえる点もメリットです。
一方、すぐに受け取れるわけではないことから、他の方法で教育資金を準備する方もいます。
学資保険に加入したほうがよいのかで悩む方もいるでしょう。
本記事の内容を読んでいけば、今後学資保険に加入するか他の方法を活用するかを決めるうえで参考になるでしょう。
学資保険に入っていない割合
学資保険に加入するかどうかで参考になるのが、学資保険に入っている、または入っていない割合です。
学資保険の加入率のデータは、ソニー生命がおこなった調査の結果が役に立ちます。
調査結果によると、大学などに子どもを進学させるための教育資金を学資保険で準備している割合は43.7%です。
逆に考えれば、6割近くの方が学資保険に入っていません。
なお、学資保険よりも銀行預金で準備する割合が高く、56.4%にのぼります。
学資保険に入らない割合が6割近くもいることは、学資保険以外の方法で準備したいと考える方が同じ程度いることを意味します。
学資保険に入っていない割合や代わりになるものを詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:学資保険に入ってない割合は?入らない方がいいと言われる理由や代わりになるものも紹介
学資保険に入る理由とは?
教育資金を準備する際、学資保険に入るかどうかで悩む方は多いです。
少しでも入りたい気持ちがある場合、ほかの方が学資保険に加入している理由も参考にしたいのではないでしょうか。
学資保険は、計画的に教育資金を準備できたり、万が一の際の保障があったりする点などがメリットです。
以下の点を理解しておくと、今後学資保険を検討する際に役に立ちます。
- 自動積立で計画的に教育資金を準備できる
- 万が一の場合の保障がある
- 返戻率が貯蓄よりも期待できる
- 生命保険料控除の節税効果がある
これらの各項目で、学資保険に入るべき理由を詳しく見ていきます。
学資保険をもう少し詳しく理解したい方や、前向きに検討したい方はぜひ参考にしてください。
自動積立で計画的に教育資金を準備できる
まず学資保険では、自動積立を通じて計画的に教育資金を準備できます。
学資保険は、毎月支払う保険料を元手に、少しずつ教育資金を積み立てる仕組みです。
保険料の支払いも口座振替やクレジットカードで済ませるため、最初の手続きだけで自動的に支払いや積み立てができます。
しかも銀行預金と異なり、支払った保険料は簡単には引き出せないため、着実に教育資金をつくれる点も強みです。
途中解約をすると、解約返戻金は受け取れるものの、払込期間が終わるまでは解約返戻金が少なく抑えられています。
今まで積み立ててきた努力を無駄にできないと思えば、簡単には取り崩せません。
万が一の場合の保障がある
また学資保険では、万が一の場合でも保障がある点でも安心です。
学資保険は、親などが契約者として契約し、保険料で教育資金を積み立てていきます。
万が一、払込期間中に親が亡くなったり高度機能障害になったりした場合、保険料の支払い義務がなくなる決まりです。
特に契約している親が一家の大黒柱であれば、万が一の際に収入が大きく下がるため、少しでも経済的な負担を和らげられます。
加えて親に万が一の場合があっても、契約時に決めたタイミングで保険金を受け取れるのも特徴です。
親に何かあった場合でも、子どもの教育資金は予定どおりもらえるため、将来の教育費の心配はありません。
長い人生では何が起こるか予測できないため、将来の万が一に備えながら教育資金を準備する上でも、学資保険はおすすめです。
返戻率が貯蓄よりも期待できる
さらに学資保険は、返戻(へんれい)率が貯蓄に比べて期待できる点も強みです。
返戻率とは、加入期間中に払った保険料の総額に対して受け取れる保険金の割合を指します。
返戻率が支払い済みの保険料の合計額に対して100%を上回っていれば、返戻率の高い保険である証拠です。
ちなみに、返戻率は以下の式で求められます。
受け取れる保険金額÷払い込んだ保険料の総額×100
一般的に学資保険は、普通に貯蓄する場合に比べて返戻率が高めです。
例えば2024年9月現在、大手都市銀行の預金金利は最も高くて0.4%に設定されています。
一方、学資保険の返戻率は満期受取で103%~118%程度です。
保険料に対して追加でもらえる割合が3%~18%となる分、貯金する以上に資金を増やせます。
参考記事:円預金金利 | 三菱UFJ銀行
参考記事:円預金金利 | 三井住友銀行
参考記事:預金金利・利率 | みずほ銀行
生命保険料控除の節税効果がある
学資保険に加入した場合、支払った保険料の金額に応じて生命保険料控除を受けられる点も魅力です。
毎年の年末調整や確定申告で保険料の控除額を申告すると、所得税や住民税が安くなります。
生命保険料控除の金額は、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8,000円です。
参考記事:生命保険料控除|国税庁
また、保険料の控除額は毎年保険会社が送付する「生命保険料控除証明書」に書かれています。
詳しい申告の方法も控除証明書に書かれているため、ご自身での複雑な計算は必要ありません。
学資保険で受けられる生命保険料控除に関するより詳しいことは、以下の記事で解説していますので、学資保険を使った節税に興味のある方は、ぜひご覧ください。
関連記事:学資保険金は確定申告で控除を受けられる?申請方法やいくら戻るのかも解説
学資保険が特に必要な人

学資保険の特徴を知っても、ご自身にとって必要なものなのか判断できない方もいるかと思います。
実際に学資保険が必要なのか不要なのかは、家庭の状況やその人の価値観によってさまざまです。
極力負担を減らしながら、計画的に教育資金を貯めたい方であれば向いているでしょう。
特に以下の特徴に当てはまる場合は、学資保険を上手に活用できる可能性があります。
以下の特徴をよく見たうえで、改めて検討してみてはいかがでしょうか。
教育資金の負担が大きくなる人
まず、教育資金の負担が大きくなることに不安を感じている方です。
子ども1人が幼稚園から大学まで全て公立に通う場合、標準的に見て1,000万円は必要といわれています。
もし幼稚園から大学まで全て私立の場合は、倍の2,000万円はかかる計算です。
参考記事:文部科学省 教育投資参考資料集 2.教育費負担|文部科学省
特に大学は国公立でも1年間に50万円程度、私立であれば100万円~200万円程度と、かかる金額が膨大です。
全体で1,000万円以上もの資金を準備するには、早いうちから計画的に積み立てる必要があります。
学資保険であれば、早くから加入すれば、毎年少しずつ保険料の支払いを通じて資金をつくりやすいです。
今後を考えて資金づくりを始めたい場合、早めに学資保険を活用しましょう。
計画的に貯蓄するのが苦手な人
また、普段から計画的にお金を貯めるのが苦手な方も学資保険が向いています。
学資保険は、毎月支払う保険料を元手に、教育資金を積み立てるためです。
保険料の支払いは毎月確実におこなわれるため、ほぼ強制的に教育資金をつくれます。
加えて、いったん積み立てた保険料は途中解約しない限り引き出せません。
定期預金と似た仕組みであるため、こまめに引き出すことができない分、資金は基本貯まりっぱなしになります。
計画的な貯金が苦手な方は、銀行預金だと途中で引き出しやすいため、学資保険にしておけば嫌でも積み立てを続けられます。
途中解約する場合も、保険料が払い終わるまでは返戻率が低く設定されているため、引き出してしまったらかえって損をするでしょう。
なるべく損をせずに長期的に積み立てたい方にも、学資保険はおすすめです。
シンプルで安定した手段を選びたい人
他にも、シンプルで安定した手段を選びたい人にも向いています。
教育資金を準備する方法は、学資保険以外にも預貯金・資産運用・教育ローンや奨学金の活用などさまざまです。
ただ、預貯金で準備する場合、途中何かあるたびに取り崩してしまうかもしれないリスクを考えないといけません。
貯めている途中で一部を切り崩した場合、準備したい金額に届かないこともよくあります。
また、資産運用で教育資金を用意するのもよく使われる方法です。
ですが資産運用は学資保険と異なり、元本(投資した金額)を保証する仕組みがありません。
運用状況によっては、得られる金額が元本を下回る危険さえあります。
教育ローンや奨学金は、たしかに必要なときに資金を準備できる点では便利です。
しかし、教育ローンは融資の翌月から、奨学金は卒業した年の10月から返さなければなりません。
教育資金を確実かつ将来の心配なく準備する場合、上記のなかでは学資保険がおすすめです。
学資保険が不要なケース
一方、学資保険が不要なケースは、以下のとおりです。
- 十分な教育資金がある方
- 資産運用に取り組みたい方
- 保険料の長期的な支払いが難しい方
- 貯蓄に苦手意識がない方
まず、現時点で教育資金を十分用意できている場合、今後学資保険で長期的に資金を積み立てる必要はありません。
300万円や500万円程度の大金を用意できているのであれば、加入しなくてよいでしょう。
また、資産運用に取り組みたい場合も、学資保険より優先する価値があるかもしれません。
資産運用は自己責任ではあるものの、基本的に自分の判断で運用できます。
しかも運用成果次第では、学資保険で得られる以上の利益を狙える場合もあります。
さらに、学資保険は保険料を長期的に支払うのが難しい方にもおすすめできません。
学資保険は、払込期間が終わるまでの長い期間、毎月のように保険料を支払います。
払込期間が終わるまでは返戻率も低いため、解約返戻金の額が元本に及ばないことも多いです。
他にも、貯蓄が苦手ではない方もあえて学資保険を選ぶ必要はないといえます。
貯蓄が得意であれば、学資保険の力を借りなくても教育資金をつくれます。
加えて、急な出費が必要となった場合に引き出せるため、柔軟な運用も可能です。
学資保険のメリット・デメリット
学資保険を検討する際、メリットとデメリットの両方を知っておくと、落ち着いて加入するかしないかを決められます。
まず、学資保険のメリットは以下のとおりです。
- 無理なく教育資金を用意できる
- 万が一の場合の保障もある
- 生命保険料控除を受けられる
毎月保険料を自動引き落としなどで支払うため、確実に教育資金を用意できます。
また、契約している親などに何かあった場合でも、保険料の負担が免除されるとともに、保険金も予定どおりに受け取れるのも魅力です。
合わせて、支払った保険料に応じて生命保険料控除を受けられるため、節税効果もあります。
一方、学資保険のデメリットは以下のとおりです。
- 途中で解約すると元本割れする場合がある
- 資金を途中で引き出せない
- インフレの影響を受けやすい
学資保険は、特に保険料払込期間中は返戻率が低く抑えられています。
保険料を支払っている途中で解約しても、戻ってくる金額は支払った保険料の総額より少ない場合が多いです。
また、学資保険で積み立てている教育資金は途中で引き出せません。
家庭で大金が必要な場合に備えるには、学資保険以外に預貯金を準備する必要があります。
さらに、学資保険の保険金や保険料は契約時に決まる仕組みです。
もし加入中にインフレが発生すると、受け取れる保険金が減る場合があります。
学資保険のメリット・デメリットをより詳しく知りたい場合は、以下の記事も読んでみてください。
関連記事:学資保険とは?メリット・デメリットや選ぶ際の4つのポイントも紹介!
学資保険の種類

学資保険への加入を考える際、どのような商品があるのかを知っておくことも大切です。
学資保険には、大きく分けて貯蓄型と保障型があり、両方に独特の特徴や強みがあります。
学資保険の商品を選ぶ際、貯蓄型か保障型によって内容も大きく異なります。
今後子どもに受けさせたい保障内容や、積み立てたい教育資金の金額を考えるうえで2つのタイプの種類は大切です。
種類別の詳しい特徴や違いは、以下のとおりです。
貯蓄型
まず貯蓄型とは、学資保険でも教育資金を積み立てることに特化しています。
保障内容も進学時に受け取れる祝い金や、満期を迎えた際の満期保険金が軸です。
加えて、親が契約中に死亡したり高度機能障害になったりした際も保険料の免除を受けられます。
一般的なイメージどおりの学資保険と思っていただくとよいでしょう。
保障内容は、あとで触れる保障型にくらべると多くはありません。
代わりに返戻率が高めに設定されていて、100%を超えていれば支払った保険料以上の保険金を受け取れます。
保障型
一方で保障型とは、教育資金の準備以外の保障内容が付いた学資保険のことです。
具体的には、親が亡くなった場合に備えられる死亡保険金や、子どもの医療保障などがあります。
なお、死亡保険金では、養育年金など年金方式にも設定できます。
教育資金だけでなく子どもの医療にも目を向けているため、保険ひとつで子どもの健やかな成長にも役立てられる点で便利です。
ただ、さまざまな保障内容が用意されている代わりに、返戻率は貯蓄型に比べて低く抑えられています。
加えて、保障が多い分、毎月支払う保険料も貯蓄型に比べて高くなりがちな点も特徴です。
貯蓄型と比較するときは、必要な保障内容や、どの程度の保険金をつくりたいかなどを考えるとよいでしょう。
おすすめの学資保険はある?
学資保険には数多くの商品があるため、何を基準に選べばよいかに悩みますよね。
数ある学資保険商品から自身におすすめのものを選ぶには、以下の基準で選ぶのがよいでしょう。
- 返戻率の高さ
- 保険料の金額
- 保険料払込期間の長さ・終了のタイミング
特に返戻率が100%を超えるものがおすすめです。
100%を超えていれば、支払った保険料の総額を超える金額の保険金を受け取れます。
また保険料の金額も、家計とのバランスで無理のない金額を選ぶとよいでしょう。
ちなみに、学資保険の保険料の相場は1万円~2万円程度です。
保険料の払込期間も、満期を迎えるまで支払う「全期払い」と、契約時に決めた時期まで支払う「短期払い」があります。
短期払いのほうが毎月の保険料が高いため、やはり家計とのバランスを考えて決めるべきです。
おすすめの学資保険商品を比較検討したいときは、以下の記事をご活用ください。
学資保険に入る余裕がない場合はどうする?
学資保険で教育資金をつくりたいけれど、入る余裕がない方もいるかもしれません。
学資保険が難しい場合でも、工夫次第で加入できます。
特におすすめの方法が、児童手当を保険料に充てるやり方です。
児童手当は国が子どものいる家庭に毎月給付しています。
子ども1人当たりの給付金額は以下のとおりです。
子どもの年齢 | 1ヵ月当たりの支給額 |
---|---|
3歳未満 | 15,000円(第3子以降は30,000円) |
3歳から高校卒業まで | 10,000円(第3子以降は30,000円) |
参考記事:児童手当制度のご案内|こども家庭庁
学資保険の保険料は、毎月1万円~2万円程度が標準とされています。
支給される児童手当を保険料の支払いに回せば、家計に余裕がなくても保険料を続けて支払うことが可能です。
また、児童手当は高校卒業時まで支給されるため、大学への進学資金の準備にも向いています。
児童手当を保険料に充てる以外にも、祖父母の資金援助を受けたり保険料を半年分・1年分・全額まとめて支払ったりする方法もあります。
特に保険料をまとめて支払った場合、毎月支払う場合に比べて支払い総額が割り引かれる決まりです。
学資保険代わりに教育資金を準備できるものは?
学資保険代わりに教育資金を準備できるものはないかと考える方もいるでしょう。
学資保険以外に活用できる方法は、以下のとおりです。
- 預貯金(特に定期預金)
- NISA
- 貯蓄型の生命保険(外貨建て保険・個人年金保険など)
- 教育ローン・奨学金
預貯金は定期預金であれば、満期がくるまで引き出せないため、目標額を積み立てられます。
加えて自動積立を利用すれば、毎月定額を自動的に振り込める点でも便利です。
NISAは発生した利益が非課税になる資産運用です。
特に「つみたて投資枠」は初心者向けの投資信託も対象で、年間投資額が120万円までであれば運用益に税金が発生しません。
学資保険以外で教育資金を準備する方法をより深く知りたい方は、以下の記事も参考になります。
関連記事:学資保険代わりにNISAはおすすめ?向いている人や貯金代わりになるのかも解説
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相談の際は女性のスタッフも指名できるため、お金や将来の悩みを抱えた女性の方でも安心です。
興味がありましたら、ぜひほけんプラネットをご利用ください。


まとめ
出産や子育てを経て、将来のために学資保険に入ったほうがよいのかは、よくある悩みです。
学資保険の必要性は、人や家庭の状況によって異なります。
ただ、着実に安定して教育資金をつくりたい方や貯金が苦手な方であれば、学資保険はおすすめの方法です。
毎月の保険料で確実に積み立てられるうえに、途中で資金を引き出せない分、年月に応じて教育資金をつくれます。
また、学資保険の代わりになる方法も預貯金や資産運用、貯蓄型の生命保険などとさまざまです。
学資保険以外に使える方法も検討するとよいでしょう。
ご自身で決められない場合は、本記事でご紹介したほけんプラネットの利用も検討してみてください。