学資保険に入ってない割合は?入らない方がいいと言われる理由や代わりになるものも紹介
この記事を読んでいる方の多くは、学資保険について加入するべきか悩んでいるのではないでしょうか。
また、学資保険に入らない場合、代わりにどのような方法で教育費を貯めるのが良いのか知りたい方も多いはずです。
「学資保険に入っていない割合を知りたい」
「学資保険に入らない方がいいと言われている理由を知りたい」
「学資保険の代わりになるものを知りたい」
と思っている方のために、この記事では学資保険に入っていない人の割合や学資保険に入らない方がいいと言われる理由について説明をします。
また学資保険の代わりになるものについてもわかりやすく紹介をしますので、参考にしてください。
学資保険は必要?
結論からいうと、学資保険が必要かどうかの回答は「人によって異なる」です。
学資保険は教育費を貯めやすい特徴がありますが、金利が低いなどのデメリットもあります。
学資保険に入っていない人の割合や学資保険に入っている人は平均いくらかけているのかなどについて説明しますので、そちらを参考に学資保険に加入するかどうか検討しましょう。
学資保険に平均いくらかけている?
学資保険は、高校や大学・専門学校の費用に充てるのが一般的です。
日本政策金融公庫によると、大学が国公立の場合、約250万円、私立の場合は約470万円の費用がかかります。
参考記事:教育資金はいくら必要|日本政策金融公庫
学資保険に平均いくらかけているかの正確なデータはありませんが、満期の際に200万円から300万円程度を欲しい場合、子供が0歳児の時から毎月1万円から2万円の保険をかける必要があります。
学費に関しては、子供の進学先によって大きく異なるので、平均金額は参考に留めるようにしましょう。
学資保険に入ってない割合は?
2024年1月31日〜2月1日の2日間、大学生以下の子供がいる20歳以上の男女に対し、ソニー生命が実施した「子どもの教育資金に関する調査」によると、学資保険の加入率は43.7%のようです。
子供の教育費を貯める方法の1位は「預貯金」で2位が「学資保険」という結果でした。
学資保険は依然として人気が高いですが、約6割の人が加入していないことになります。
意外と学資保険に加入している人は少ない、と思われるのではないでしょうか?
次に、学資保険に入らない方がいいといわれる理由について説明をします。
学資保険には入らない方がいいといわれる理由
学資保険に入らない方がいいといわれる理由はいくつかありますが、やはり金利が低いことが大きな理由でしょう。
金利が高ければ、少ない保険料で大きな資金を用意できますが、2016年からマイナス金利が導入され日本の金利は非常に低い状態が続いています。
参考記事:日本政策金利の推移|外為どっとコム
今後、日本の金利が上昇することがあっても、劇的に各種保険の金利が上がる可能性は低いです。
あまり大きく増えないので、学資保険に入らない方がいいといわれるのでしょう。
学資保険のメリット
学資保険の主なメリットは3つです。
- 計画的に学費を貯められる
- 預貯金よりは増える
- 生命保険料控除が使える
学資保険のメリットについてしっかり理解しましょう。
計画的に学費を貯められる
学資保険は、毎月同じ日に同じ金額が銀行口座やクレジットカードから引き落とされますので計画的に学費を貯められます。
学費は長い年月をかけて計画的に貯めていく必要があります。
貯金をしなければいけない、と頭を悩ませることなく、計画的にお金を貯められるのは学資保険を利用する大きなメリットといえるでしょう。
預貯金よりは増える
学資保険の金利は非常に低いですが、それでも預貯金の金利よりは高いのが一般的です。
解約しづらいなどのデメリットはありますが、預貯金よりは増えて、安全性が高いのは学資保険を利用する大きなメリットでしょう。
ただし、学資保険の中には、死亡保障や医療保障などがたくさん付いていると返戻率が100%を下回ってしまう学資保険もあります。
正直、返戻率が100%を下回ってしまう学資保険に入る意味はないので、もし死亡保障や医療保障が欲しければ、シンプルな死亡保険や医療保険に別に入ることをおすすめします。
生命保険料控除が使える
学資保険は生命保険料控除の対象になります。
学資保険の保険料の一部を控除に使えますので所得税や住民税が安くなります。
所得がない方にとってはメリットではありませんが、学資保険を利用する方の多くは会社員や自営業など仕事を持っているはずなのでメリットになるでしょう。
利用できる金額について載せておきましたので参考にしてください。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
参考記事:生命保険料控除|国税庁
学資保険のデメリット
次に学資保険のデメリットについて見ていきましょう。
学資保険のデメリットはいくつかありますが主なデメリットは3つです。
- 返戻率が低い
- インフレに弱い
- 途中で解約すると元本が割れる
学資保険はメリットばかりではなく、これらのデメリットもあります。
学資保険に加入するかしないかの参考にしてください。
返戻率が低い
学資保険は、以前は120%を超える返戻率の商品もたくさんありましたが、2016年1月に政策金利をマイナス金利にして以降、学資保険の金利は歴史的に見て非常に低い水準で推移しています。
参考記事:マイナス金利|一般社団法人 全国銀行協会
学資保険を選ぶ際に最も重視すべきは解約返戻率です。
返戻率が低いのは非常に大きなデメリットになります。
中には返戻率の高い学資保険もありますが、多くの学資保険は返戻率が低いです。
正直、返戻率の低い学資保険に入ってもほとんどメリットはありませんので、もし学資保険への加入を検討しているのであれば返戻率はよく確認するようにしましょう。
インフレに弱い
ほとんどの学資保険は、固定金利です。
固定金利の商品なので、加入した後に政策金利などが上がっても保有している学資保険の金利は変わりません。
つまり、今後、物価が上昇したり金利が上がったりしても対応できないことになります。
インフレに弱いのは学資保険の大きなデメリットになるでしょう。
途中で解約すると元本が割れる
学資保険は、満期まで保有すると支払った保険料より増える商品が多いですが、途中で解約するとほとんどの商品で元本は割れます。
せっかく、学資保険に加入したのに、元本が割れてしまっては意味がありません。
途中解約をすると元本が割れてしまう可能性が高いのは、学資保険のデメリットといえるのではないでしょうか。
学資保険は入らなくても大丈夫なのか
学資保険に入っていない割合は、約6割といったデータがあるので「学資保険に入らなくても大丈夫」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、学資保険に入らなくても、子供の学費が必要なことに変わりはないです。
学資保険に入らない場合に必要な貯金額について説明します。
学資保険に入らない場合に必要な貯金額
公立と私立で幼稚園から大学までの教育費についてまとめました。
1年あたりに必要な教育費は以下の通りです。
公立 | 私立 | |
幼稚園 | 16万5,126円 | 30万8,909円 |
小学校 | 35万2,566円 | 166万6,949円 |
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,353円 |
高校 | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
大学 | 92万7,668円(授業料と入学金) | 117万6,894円(授業料と入学金) |
参考記事:令和3年度子供の学習費調査の結果 国公私立大学の授業料等の推移
教育方針にもよりますが、相応の金額が学費にかかるのがわかります。
計画的に学費を貯める必要があるでしょう。
学資保険に入っていない人の割合が6割だからといって教育費を貯める必要がないわけではないので注意してください。
子供に必要な教育資金
公立と私立では必要な教育資金が全く異なります。
子供に必要な教育資金について、学校別にまとめましたので、参考にしてください。
保育園や幼稚園
まずは保育園や幼稚園に1年あたりに必要な教育費を見ていきましょう。
公立:16万5,126円
私立:30万8,909円
保育園や幼稚園に通わせる場合、公立でも私立でも大きな金額がかかるのがわかります。
小学校
続いて1年あたりに小学校に必要な教育費です。
公立:35万2,566円
私立:166万6,949円
このように小学校に関しては、公立と私立でかなり教育費に差が出ます。
子供を小学校から私立に入れたい場合は、特に計画的にしっかりと教育費を貯める必要があるでしょう。
中学校
中学校でかかる1年あたりの教育費を公立と私立に分けて見ていきます。
公立:53万8,799円
私立:143万6,353円
中学も公立と私立ではかなり教育費に差が出ます。
東京などの首都圏では中学受験を検討している家庭も多くなっているため、特に計画的に準備する必要があるでしょう。
高校
高校で1年あたりに必要な学費は以下の通りです。
公立:51万2,971円
私立:105万4,444円
大学受験をする場合、さらに塾代などがかさみますので、計画的に学費を貯める必要があります。
参考記事:令和3年度子供の学習費調査|文部科学省
大学
大学に必要な学費をまとめました。
国公立:92万7,668円(授業料と入学金)
私立:117万6,894円(授業料と入学金)
参考記事:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
入学金に関しては初年度のみですが、かなり高額な学費がかかるのがわかります。
さらに、私立の医学部などに進学した場合、数千万円必要になりますので、計画的に学費を貯める必要があるのです。
学資保険の代わりにおすすめのものはある?
学資保険以外にも学費を貯める方法はいくつかありますが、特におすすめなのは新NISAを使って学費を貯める方法です。
こちらでは、学資保険の代わりになる新NISAを使った教育費を貯める方法について説明をします。
NISAも学資保険の代わりになる?
NISAとは、株式投資や投資信託の利益に対して税金がかからない仕組みです。
通常、株式投資や投資信託で出た利益に対しては20.315%の税金がかかるため、NISAの税金がかからない点は大きなメリットになります。
2024年にNISA制度は大きく変わりました。
より使いやすくなっているため、学費を貯めるのにもおすすめです。
新NISAの概要は以下のとおりです。
成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
1年間に投資できる金額 | 240万円 | 120万円 |
投資できる総額(一生涯の総額) | 1,800万円(そのうち成長投資枠は1,200万円まで) | |
投資できる期間 | 無期限 | 無期限 |
投資できる商品 | 上場株式や投資信託など | 金融庁が定めた基準を満たす一定の投資信託 |
投資方法 | 積立も単発(スポット)も可能 | 積立のみ |
対象年齢 | 18歳以上 |
参考記事:NISAを知る|金融庁
学資保険の代わりに新NISAを使う具体的な方法については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:学資保険代わりにNISAはおすすめ?向いている人や貯金代わりになるのかも解説
学資保険の加入時期
学資保険の加入時期は早ければ早いほうがいいです。
なぜなら、早く加入すれば、毎月の掛け金が少なくてもまとまったお金をつくれるからです。
また、学資保険の金利がある程度高い場合は、加入期間が長ければ長いほど金利の効果もあります。
学資保険に加入するのであれば、子供が極力小さい時に加入するようにしましょう。
学資保険にいつ入るかについては、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
関連記事:学資保険はいつ入るのが得?加入の最適なタイミングをまるっと解説!
学資保険に入りそびれた場合
学資保険には子供の年齢によっては加入ができません。
学資保険に加入したいのに入れなくて困っている方もいるのではないでしょうか。
しかし学資保険に入りそびれたとしても問題なく学費を貯められる方法があるので安心してください。
学資保険に入りそびれた場合の対処法等については、以下の記事で詳しく説明をしています。
関連記事:学資保険に入りそびれた!いつまで加入できるのかや代わりの手段も解説
学資保険に入りそびれたとしても、先ほど説明した新NISAなどを利用すれば、効率的に学費を貯められます。
学資保険にはいくらかけるべき?
学資保険にいくらかけるべきかは、家庭によって異なるとしかいいようがありません。
子供がたくさんいて、私立の学校に通わせたいと思っているのであれば、相応の金額を学資保険にかけるべきでしょう。
一方、公立の学校に基本的に通わせる方針であれば、私立に比べて学費はかなり抑えられるので、学資保険の保険料も抑えられるかもしれません。
ただし、子供がどのような進路を取りたいかは学資保険に加入する段階では分かりませんので、子供の夢をあきらめさせるようなことは避けましょう。
学資保険は月2,000円からでも入れる?
学資保険は、学資保険の商品にもよりますが、月2,000円程度から入れるものもあります。
もちろん、毎月の掛け金が少ないと、最終的に用意できる金額は少なくなってしまいますが、学費の全てを学資保険でまかなう必要はありません。
とりあえず安定した学資保険も学費を貯める選択肢に入れたい方は、まずは少額から学資保険に加入するのがよいのではないでしょうか。
学資保険に少ない金額で入るメリットやデメリットについては、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
関連記事:学資保険は月2,000円で足りる?保険料の月額平均目安や毎月の支払額の決め方も紹介
学資保険が特に必要ない家庭
学資保険はすべての家庭に必要なわけではありません。
学資保険が必要ない家庭もたくさんあるので、学資保険に入っていない割合は6割を超えるのでしょう。
こちらでは学資保険が特に必要ない家庭の特徴について3つほど紹介します。
しっかりと貯金や資産運用ができる
計画的にしっかりと貯金や新NISAなどを使っての資産運用ができる家庭であれば、わざわざ学資保険に入る必要はないでしょう。
学資保険の利回りが非常に高ければ別ですが、残念ながら日本円の学資保険の場合、大きな利回りは現在期待できません。
学資保険に入る大きなメリットは計画的に学費を貯められることです。
つまり、学資保険に入らなくてもしっかりと貯金や資産運用ができている家庭であれば、わざわざ学資保険に入る必要はないでしょう。
すでに教育資金をまかなえる十分な貯蓄がある
学資保険はあくまでも教育資金を貯めるものです。
その目的が達成されているのであれば、わざわざ学資保険に入る必要はありません。
すでに教育資金をまかなえる十分な貯蓄がある場合は、学資保険に入る必要はないでしょう。
ただし、子供が私立の医学部などに進学する可能性がある場合は、高額の学費がかかります。
そのような選択肢をとっても問題ないかについては、しっかり確認するようにしましょう。
資金を柔軟に動かしたい
学資保険は基本的に子供が高校もしくは大学に入学するまでお金を受け取れません。
契約者貸付を利用すれば一定の金額を使うことはできますが、金利がかかってしまいます。
契約者貸付とは、今まで支払った保険料の何割かを借りることができる制度です。
基本的に学資保険に入れたお金は、長期間利用できないと思っていた方がよいでしょう。
つまり資金を柔軟に動かしたい方にとって学資保険は向きません。
しかし、資金を柔軟に動かしても計画的にお金が貯められればよいですが、そうでない場合は学資保険の加入を検討しましょう。
学資保険が必要な家庭
学資保険が必要な家庭の特徴について説明をします。
学資保険が必要な家庭の特徴は主に3つありますが、家庭の事情によって学資保険が必要かどうかは異なるので、あくまでも参考として見ていただければ幸いです。
子供の教育費に不安がある
子供の教育費に不安がある場合は、学資保険を利用するのを検討した方がよいでしょう。
学資保険は、長い期間をかけて学費を貯められます。
毎月の保険料が少なくても、長い年月をかければ大きな資金を貯められるので、子供の教育費に不安がある場合は学資保険の加入を検討してください。
貯金が苦手で確実に貯める仕組みが必要
計画的にお金を貯めるのが苦手な方は、ぜひ学資保険を利用するようにしましょう。
学資保険は毎月同じ日に同じ金額が銀行口座やクレジットカードから引き落とされますので、計画的にお金を貯めるのが苦手な方でも自然とお金を貯めることができるはずです。
万が一の事があった場合に教育資金が貯められない
多くの学資保険では、保険料を支払っている親に万が一のことがあった場合、その後の保険料の支払いは免除されます。
このように、一定の保証が学資保険にはあるので、この保証がどうしても欲しい方は学資保険に入るべきでしょう。
また、万が一のことがあった場合に備えて、教育資金を貯められない方は、特に学資保険の加入を検討した方がいいです。
しかし、死亡保障が欲しいのであれば、シンプルな生命保険に加入した方が保険料が安く、合理的だといえるでしょう。
何らかの事情で学資保険の保障がどうしても必要な方には学資保険はおすすめできます。
余裕がない家庭の学資保険の選び方
様々な事情によって余裕がない家庭の学資保険の選び方について紹介します。
主な方法は2つあります。
- 保険料をまとめ払いする
- 児童手当を学資保険に回す
わかりやすく説明しますので参考にしてください。
保険料をまとめ払いする
毎月の生活費に余裕がなくても、まとまったお金がある場合は、まとまったお金を利用して一括で学資保険に加入するのも方法です。
ただし、まとまった資金があれば資産運用でお金を増やす方法もあるので、よく検討するようにしましょう。
児童手当を学資保険に回す
児童手当とは、子育て支援制度の一つです。
この制度は、現状、中学校修了前の子供を養育している人が対象となり、子供の年齢や出生順位によって支給額が異なります。
3歳未満の子供には月額15,000円、3歳以上小学校修了前の子どもには月額10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生には月額10,000円が支給されます。
ただし、所得制限があり、一定以上の所得がある世帯では特例給付として月額5,000円が支給されます。
支給は年3回、6月・10月・2月におこなわれます。
また、児童手当は2024年10月から内容が変更になりますので、知っておきましょう。
参考記事:児童手当制度のご案内
この児童手当を使って学資保険に加入するのもよいでしょう。
ご家庭の状況を考慮し、無理のない学資保険を選ぶことが大切です。
まとめ
今回は、学資保険に入っていない割合をテーマに説明をしました。
学資保険は子供の学費を貯めるポピュラーな方法ですが、近年、金利が低く学資保険を利用していない割合は6割を超えています。
子供の学費を貯める方法は、学資保険だけではなく、新NISAなどの投資で貯める方法も一般的になりました。
ぜひ今回の記事を参考に、学資保険に入るか入らないか検討していただければ幸いです。